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天皇皇后両陛下、ご成婚から30年の歩みはいつもお二人で。「おことば」に込められた家族の絆

2023.06.30

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【慶祝】天皇皇后両陛下ご結婚満30年記念

令和の御代の新しいかたち 最終回(全5回) 天皇皇后両陛下は令和5年6月9日、ご結婚満30年をお迎えになります。長きにわたり、お二人で語り合うことを大切になさり、喜びも悲しみも分かち合いつつ歩んでこられた両陛下。令和2年春以降、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、受け継がれてきたご活動を同じように行うことさえ困難を極めましたが、その厳しい局面にあっても模索と工夫を重ねられ、国内外のかたがたとの交流の道を、新たなかたちで拓かれました。そのご足跡をご紹介いたします。前回の記事はこちら>>
両陛下は毎年のお誕生日やご成婚から10年、20年といった節目に、夫婦や家族について、敬愛と感謝の気持ちを込めたおことばをお述べになっています。ここでは、その中から一部を抜粋してご紹介します。

ご成婚から30年の歩み

令和元年6月27日、フランスのマクロン大統領夫妻を見送り、満面の笑みを見せられる両陛下。写真/朝日新聞社

皇太子同妃両殿下

ご成婚10年に際しての文書回答(平成15年)


皇太子殿下(当時)
本当にこの10年いろいろとご苦労様でした。よく努力しました。いろいろとありがとう。と言いたいです。点数を付けるのは難しいのですが、最初にお話ししたことからもお分かりのように、私は、雅子は、「努力賞」と「感謝状」ならぬ「感謝賞」のダブル受賞ではないかと思います。

──中略──

感謝したい点は、まず、雅子がそこにいてくれることです。雅子がいてくれるだけで心が明るくなるのを感じます。ユーモアがあるのもうれしいことです。学んだ点としては、今までの本人の経験や体験などから私が学ぶことが多かったと思います。海外での生活や外交官としての仕事あるいは帰国子女としての体験などがそうでしょうか。そして、そのような経験や体験を基に形作られる雅子の物事のとらえ方や考え方からも多くのことを学びましたし、自分の世界が広がったように思います。(略)

ご成婚から30年の歩み

平成6年2月9日、ご成婚後初めての記者会見に臨まれる皇太子同妃両殿下(当時)。皇太子殿下(当時)は、以前と異なるのはご公務などを行う際に「一人のところが二人になった」点で、それが「非常に楽しい」と語られた。写真/朝日新聞社

皇太子妃殿下(当時)
皇太子様に、私からは、全てにわたり本当にありがとうございました、と感謝の気持ちで一杯です。

この10年間、どのような時も私に優しくお心を配って支えてくださいましたことに、感謝の念は尽きません。いつどのような時でも、物事を平常心でお受け止めになり、堂々となさっていらっしゃると同時に、ユーモアもお忘れにならないゆとりのおありになる皇太子様からは、教えていただくことが本当に多く、日々の生活の中でも大きな安堵感を与えてくださっています。

ご成婚から30年の歩み

平成15年、ご成婚10年を前に、東宮御所の庭での記念撮影。はにかんで皇太子妃殿下(当時)に寄りかかられる愛子さまを、笑顔で見守られる両殿下(当時)。写真/宮内庁提供

皇太子同妃両殿下
ご結婚満25年に際しての文書回答(平成30年)


皇太子殿下(当時)
平成5年に皆様から温かい祝福をいただいて結婚してから、25年が経つのかと思うと、時の流れの速さを感じるとともに、感慨深いものがあります。

この25年間、二人で一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いつつ、歩んでまいりました。また、愛子が生まれてからは、愛情を持って子どもを育て、安らぎのある温かくて明るい家庭を築くことを心掛け、三人で日々を過ごしてまいりましたが、家族の絆(きずな)と、家族がいることのありがたさを実感しています。(略)

──中略──

そうした中で、ご質問のあった、夫婦円満のために心掛けてきたことについて思いつくのは、相手を思いやり、相手の立場に立って物事を考えること、そして、お互いによく話し合い、また、大変な時にも、「笑い」を生活の中で忘れないように、ということだと思います。雅子は、この25年間、大変なこともある中で、色々な努力を続け、また、私と愛子をしっかりと支えてくれており、ありがたく思うとともに、心から感謝しています。点数を付けるのは難しいですが、今回は、結婚10年の折の「努力賞」と「感謝賞」のダブル受賞に加えて、銀婚式に因んで銀メダルも贈りたいと思います。

ご成婚から30年の歩み

平成30年、ご結婚満25年を前に、東宮御所の庭にて談笑される両殿下(当時)。愛子さまが命名なさった保護犬の由莉(ゆり)は、ご一家にとって大切な家族のような存在。写真/宮内庁提供

皇太子妃殿下(当時)
この25年間は、短かったようでもあり、長かったようでもあり、沢山の喜びも悲しみもありましたが、皇太子殿下には、いつも傍らで私を支えて下さいましたことに感謝の気持ちで一杯でございます。これ迄の25年間を振り返りますと、様々な出来事が走馬燈(とう)のように頭の中を巡り、感慨深いものがございます。皇室に入りましてから間もない頃、殿下からご助言をいただきながら、初めての公務の一つ一つに臨んでおりました頃のことも懐かしく思い出します。

──中略──

(略)今回、殿下からは、身に余る賞や「銀メダル」までいただけると仰って下さり、その寛大なお気持ちを大変ありがたく思いますとともに、金婚式に「金メダル」をいただけますかどうかは心許なく感じますが、これからも温かい家庭を築いていくことができますよう、私のできます限り努力していきたいと思っております。

ご成婚から30年の歩み

令和元年8月19日、愛犬・由莉を連れられ、ご一家で那須御用邸の敷地内をご散策中、愛子さまの手にトンボが止まった瞬間。写真/朝日新聞社

天皇陛下お誕生日に際し(令和5年)


結婚してから、30年近くが経(た)つのかと思うと、時の流れの速さを感じます。昨年12月の雅子の誕生日の感想にもありましたが、雅子が29歳半の時に結婚してから、その人生の半分以上を私と一緒に皇室で過ごしてくれていることに、心から感謝するとともに、深い感慨を覚えます。この30年近く、二人で一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いながら、歩んでまいりました。

(略)雅子は、私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手になってくれていますし、愛子の日常にもよく気を配りながら見守っており、生活に安らぎと温かさを与えてくれていることもとても有り難く思っております。私も、今後ともできる限り力になり、支えていきたいと思っています。

※おことばの抜粋において、段落ごと略した場合は「──中略──」、段落内の一部を略した場合は「(略)」と記載して区別しています。
協力/宮内庁 文/大山直美
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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