ようやく春の兆しが感じられるようになったものの、まだまだ冬用上着が手放せないこの頃。ところでみなさん、シーズン終了後のレザージャケットのお手入れはどうされていますか?
バッグや靴以上に、日々のメンテナンスの仕方がよくわからない、クリーニングに出す以外のお手入れ法を知らない……という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、大切なレザージャケットを長持ちさせるためのお手入れのコツを、プロに教えていただきました。お話を伺ったのは「誂え鞄 otohaci(おとはち)」の店主・上村崇司さんです。
あなたのケアは正解?
レザージャケットのメンテナンスQ&A
持ち込んだのはブルーのライダーズジャケット。カーフレザーよりもややデリケートな羊革製です。Q.雨の日にレザースジャケットを着るのはNG?
レザーは湿気を嫌うことから、そもそも雨の日には着用しないほうがよいのでしょうか?「多少の雨は想定して作っているはずですが、大雨の日には避けたほうがよいでしょう。予報が雨の日には、あらかじめ防水スプレーでガードしておく対策も効果的です」(上村さん、以下同)。
Q.防水スプレーをしてもいいの?
「30cm程度離して、全体にスプレーします。スプレーのしすぎは革の硬化やひび割れの原因になるため重ね塗りは避けましょう。スプレーする際は、換気をしながら行なってください。」
防水スプレーは使用方法を確認し、目立たないところで試してから行ってください。Q.雨に濡れた後にしたほうがいいことはある?
「外出先で止むを得ず雨に濡れた場合は、乾いた布で水気を取り、帰宅後に以下の日常のお手入れを行い、湿気を抜いてからクローゼットにしまいましょう。」
Q.カビてしまった!らどうしたらいい?
「濡れタオルなどで表面のカビは落ちますが、菌が根を張り中まで浸透している可能性が高いため、クリーニングに出すなどプロの手に委ねてください」
Q.自分でお手入れできますか?
はい、できます。衣替えでクリーニングに出す前に、自分でできるワンランク上のお手入れに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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※必要な道具はホームセンターやDIYショップなどの、皮革製品メンテナンス用品の売り場で購入できます。メンテナンス用品をお使いの際は製品の説明書を読み、あらかじめ目立たないところで試してからお使いください。革製品のセルフメンテナンスは自己責任で行ってください。馬毛ブラシ、汚れ落としクリーナー、保湿クリーム、汚れ落とし用ラバー(消しゴムでも代用できます)、防水スプレー、クリーナーやクリーム用の布(1枚)、乾拭き用の布(1枚)。
ライダースジャケットのセルフメンテナンス
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Information
誂え鞄 otohaci(おとはち)
- 財布や手帳、小物、鞄などを、デザインや型紙製作から手がけ、全てを手縫いで仕立てるオーダーメイドの革工房。本格的な鞄の縫製技術を学べるスクールも主宰。 ※今回取材にご協力いただいた「革のお手入れ」は、個人で行っていただくセルフケアを目的としています。「誂え鞄 otohaci(おとはち)」では革製品のメンテナンスや修理は受けつけておりませんのでご注意ください。
撮影/大栁佳緒里 取材・文/樺澤貴子