「ヨーガンレール」のババグーリで見つけた蓋を開けると、中には鴨の燻製とホワイトマッシュルーム、いんげんのサラダが。ステムまでワインが入るグラスは「アスティエ・ド・ヴィラッド」のもの。Tips4
テーブルウェアでガーデンの眺めを描写
テーブルウェアもガーデンを連想させるデザインをセレクト。パリで見つけたというプレートは、エルメスのメゾン アンシャンテのもの。柔らかな印象のクリーム色の陶器に、森の中の風景が銅版画のようなタッチで描かれています。その上に、飴釉の和食器とガラス器を重ねて前菜を盛り付けました。プレートの柄のセピアカラーと飴釉の、色と質感が調和しているため、洋と和の器を組み合わせても違和感はありません。さらには、籠のように編まれた蓋をプラス。素朴な素材感を加えることで、より自然を感じさせる雰囲気になりました。
「iwaki(イワキ)」の耐熱ガラスティーポットにホットワインを入れ、熱々のエスカルゴとともに供して。Tips5
DENにウェイティングスペースを設ける
「ディナーが始まる前のひととき、ここで1杯だけホットワインやクリスマスティーを召し上がっていただきます」と、多美保さんは玄関を入ってすぐ脇にあるDENにウェイティングコーナーを設けました。
普段は仕事用に使っているテーブルもおめかしを。クロスを掛けて、端にリボンをぐるりと両面テープで貼り付けました。テーブルの上のガラスの花器には、最近注目されている流木の枝を挿して、ライトオーナメントを飾ります。
「このコーナーは、昔訪れたフランスの美しい田舎町ニュイ・サン・ジョルジュのワイン祭りのイメージです。そのとき冷え切った体に、テントの中でいただいたホットワインとエスカルゴが最高に美味しく感じたんです」と、旅先で思わず買ってしまった専用の器にあつあつのエスカルゴを用意。楽しかった経験や、自ら目にした美しい光景に感動する心を持ち続けることが、多美保さんのコーディネートの要になっているようです。
横瀬多美保/Tamiho Yokose
インテリアスタイリスト
東京都生まれ。テーブルコーディネーター、インテリアスタイリスト。テーブルコーディネーターの故クニエダヤスエ氏に師事。女性誌や料理本、百貨店のディスプレイなどのスタイリングに携わる。新旧、和洋を自在に織り交ぜた、モダンでエレガントなコーディネートに定評がある。『家庭画報』とのおつきあいは30年近く。流行や時代の変化をしなやかに受け止めながら、幸福感漂う美しい暮らしを提案し続けている。
『テーブルコーディネートから始まる 美しい暮らしのインテリア365日』 2019年10月2日発売!
『家庭画報』をはじめとする女性誌で活躍する、インテリアスタイリスト・横瀬多美保さん。ご自身の1LDKでの暮らしを1年間にわたり追った『家庭画報.com』の人気連載が、ついに一冊の本になりました。コーディネートの組み立て方、“自分らしい”空間の作り方も初公開! 今すぐ活用できる暮らしのtipsが満載です。