歌手の藤あや子さんは、マルくんとオレオちゃんという2匹の保護猫(通称“マルオレ”ちゃん)を家族に迎え入れて1年半。2匹の様子を毎日のようにTwitterやInstagramに投稿している藤さんの写真やつぶやきが大人気です。そんな藤さんとマルオレちゃんの日常を切り取ったフォトブック『マルとオレオと藤あや子』が、世界文化社より刊行。本にまつわるとっておきのエピソードや、その後のお話を伺いました。
フォトブックを作られた時を振り返って、あらためていかがですか?
「毎日溜まっていくマルオレの写真は、実は撮りっぱなしだったんです。それが本を作ることになって、2匹がうちに来た時から順を追って写真を整理することができたのが、よかったですね。
ああ、この時こうだったなあとか、彼らが“リフォーム”にかけた時間とか、あらためて思い出しながら振り返ることができて、ありがたかったです」
「表紙のきものは、実は亡くなった義母からもらったものなんです。表紙を撮る時は、マルオレと引き合わせてくれた義母の、この形見のきものを着ようと決めていました。
初めて見る大きなカメラをマルが怖がっていたエピソードは、本の中でもご紹介していますが、実はこの時、怖がりすぎちゃってマルが私のきものにおもらししちゃったんですよ。もうね、笑い話なんですけれどね(笑)」
本ができてからの、マルオレちゃんのとっておきのエピソードを教えてください。
「やっぱり2匹の性格の違いが面白いですね。いつもマルオレと一緒に寝ているんですが、もっと快適に寝てほしくて、大きなキングサイズのベッドを特注したんです。喜んでくれるかなと思っていたら、まずベッドの周りを一周して警戒ですよ。そう、“ニャルソック”隊員が出動です。
警戒した後は、マルくんはもうその日の夜から、新しいベッドの真ん中で、まるで人のように堂々と寝ています。でも、オレオちゃんは、それまで使っていたベッドが隣の部屋にあるのを見つけて、ソワソワ落ち着かない。以前と違うことが気になるんでしょうね。
新しいベッドでマルが寝ているところにジャンプして飛び掛かったりして、興奮状態。もっとリラックスしてほしくてベッドを買ったはずなのにね(笑)」
藤さんのマルオレちゃんへの愛情の深さが、どんな写真やエピソードにも溢れています。マルオレちゃんをいい子に躾ける秘訣は何ですか?
「いけないことをしても、絶対に叩いたり、大声を出したりはしません。言葉は通じなくても、抱きしめて根気強く滾々と教えると、ダメなんだなとわかってくれる。抱っこしながら『大好き』『いい子ね』と常に話しかけることで伝わります。やさしく話しかけながら彼らの表情を見ると、ああ聞いてくれているな、ということもわかります。
またある時は、2匹は私の師匠だと感じることもあります。どちらが育てられているのかわかりません(笑)。子育てと一緒ですね」
大好評発売中! 『マルとオレオと藤あや子』
〔目次〕・「マルオレ」のご紹介
・マルオレからのごあいさつ
・奇跡のツインズ「それを人は“マルオレ”と言う」
・優美なるオレオ「“美神猫”と書いてオレオと読む」
・魅惑の男、マル「絶対自分の事、人間だと思ってるでしょ」
・匠たちのリフォーム術「顔とやってることが合ってないのよ」
・マルオレ食堂
・マルオレの独り言
・藤あや子のマルオレ観察
1) 性格の違いすぎる双子
2) stay homeを救ってくれた2人
・マルオレの歩み
〔著者プロフィール〕藤あや子/歌手。保護猫のマル、オレオのママであり広報担当。秋田県角館生まれ。1985年、NHK「勝ち抜き歌謡天国」で優勝。89年のデビュー以来、華やかなステージと艶のある歌声で人気。「こころ酒」で日本有線大賞受賞。料理上手としても知られ、趣味は絵画。作詞・作曲も行う。