朝ドラ『エール』の最終回では、圧倒的な歌唱力で「イヨマンテの夜」を披露した。「昔から特に歌が好きだったわけでも、得意だったわけでもないんですが、応援団をやっていたので声は大きかったですね」今回の“会いたい人”は、ミュージカルをはじめとする舞台を中心に活躍している吉原光夫さん。昨年のNHK連続テレビ小説『エール』で好演した寡黙な馬具職人・岩城新平役も印象的でした。3月には生田斗真さんらと共に、英国演劇界の至宝とも称されるトム・ストッパードの作品『ほんとうのハウンド警部』に出演します。その魅力に迫ります!
――昨年は、朝ドラ『エール』でテレビドラマ初出演を果たした吉原さん。活躍の場がぐんと広がった2020年でしたね。「コロナ禍が始まる前から決まっていたことではあるんですが、この時期にそういうものと出合えたことは、僕にとってはすごく新鮮で、新しい世界を見せてもらいました。自分としては、一仕事として淡々と取り組んでいたつもりだったんですけれども、評判や噂が先走っちゃって、自分が置いていかれているように感じたり、逆にそういった声に後押しされているような感覚を覚えたり。なんとも不思議な気持ちになりました」
――2020年12月に出演された三谷幸喜さん演出の舞台『23階の笑い』でも、新たな魅力を発揮していました。「あれはもう三谷さんの才能です。僕にとっては完全にアウェイな現場でしたし、僕には笑いのことはわからないので、すべてを熟知した巨匠・三谷さんに言われたとおりに稽古をしていただけですから。その答えが、お客さんの前に立ったときに全部出た。三谷さんはすごい人だな、やっぱり笑いの天才だなと改めて感じましたね」