受け継がれる伝統工芸の品々で 春の華やかなひとときを
桜のつぼみがほころぶ頃、匠の手わざから生み出された上質なお弁当箱で、お花見を楽しみませんか。桜の樹の下で、あるいは部屋に飾った一枝を眺めながら――。
そんなときにふさわしいのが、「伝統工芸 青山スクエア」で見つけた、大館曲げわっぱや、さまざまな産地の漆器。どれも幾世紀もの時を超えて受け継がれてきた、日本を代表する工芸品です。
天然木から生まれた名品の名品たる所以/奥から、美しいシルエットの竹細工は、花かごにも、小物入れにも。「別府竹細工 CARGO」(幅約26×奥行き19×高さ16.5センチ)9000円。一人用の弁当箱のほか、おひつ代わりにも利用できる「大館曲げわっぱ 白木布袋弁当」(幅約26×奥行き21×高さ7センチ)2万円。西陣織の技術を身近に楽しめる綿100パーセント「西陣織 風呂敷」(約60センチ角)1400円。幸福への願いを込めて松竹梅などが描かれた。「会津塗二段重 溜内朱会津絵松竹梅」(幅約11.5×奥行き11.5×高さ12.5センチ)6万円。釉薬の成分が結晶のように皿の表面に浮かび上がる。同じ柄が二つとない「三川内焼 結晶釉」5寸皿 3800円。こうした銘品には、食べ物をおいしくいただくうえでも良い点があります。
例えば、吸湿性や抗菌効果の高い無塗装の大館曲げわっぱなら、ご飯の余分な水分を吸収し、冷めてもおいしい状態を維持できます。中におにぎりや巻き寿司などを詰めれば、天然杉の香りとともに食が進むこと間違いなし。
また、会津塗の二段重には蕗や筍などの春野菜や甘味などを取り合わせ、開けたときの華やかさを楽しむのも一興です。
麗らかな春の昼下がり、作り手の思いがこもった工芸品を食卓に取り入れれば、心温まる和やかな時間が楽しめるでしょう。
銘品の中から琴線に触れる一品を
ぬくもりのある品で、思いを綴る/堅牢で優美な津軽塗の硯箱「松葉紗」(幅約20×奥行き28×高さ5.5センチ)12万円。口当たりがやわらかく土の温かみを感じる「益子焼マグカップ」(直径約8×高さ9センチ)1500円。漆独特のなめらかさが手になじむ「輪島塗ボールペン」(朱・黒)各3万円。富山で紙すきから加工まで手作業で作られた「越中和紙ペンケース」2500円と、越中和紙に型染めで絵を施した「熨斗袋(松・鈴)」各500円。日常に取り入れたいモダンなデザイン/錫器特有の凹凸がビールのきめ細やかな泡をつくり出す「大阪浪華錫器タンブラー」(直径約6.5×高さ10センチ)6000円、(直径約5.5×高さ13センチ)7500円。青海波の柄が風流な気分を演出する「波佐見焼 青海波 盃」(直径約8.5×高さ3.5センチ) 8000円。精細な彫金と彩金仕上げを施した「東京銀器 銀製 花和楊枝 彩金付12ヶ月」(4月スズラン・6月花菖蒲)各5600円。シンプルな形はインテリアを選ばない。「加茂桐簞笥 桐トレー鴨野(木地)」(幅約35×奥行き24×高さ2センチ)3000円。各地で継承されてきた工芸品のうち、国が定めた厳しい規定を満たし、伝統的工芸品に指定されているのは236品目。そのうち150種以上もの工芸品と出会えるのが、東京・青山一丁目駅からほど近いギャラリー&ショップ「伝統工芸 青山スクエア」です。
入り口に掲げられた「伝統マーク」は、伝統的工芸品のシンボルマークであり、このマークが貼られた製品は、誇りと責任をもっておすすめできるという信頼の証です。店内では、職人によるワークショップやイベントも開催され、訪れる人を飽きさせません。
数々の銘品の中から日々の彩りや大切なかたへの贈り物となる品を選ぶために、この春、「伝統工芸 青山スクエア」を訪ねてみませんか。
Information
伝統工芸 青山スクエア
東京都港区赤坂8-1-22
表示価格はすべて税別です。 ※在庫に限りのある商品もございますので、ご来店の際には、事前にお問合せいただくことおすすめします。
撮影/大泉省吾 スタイリング/中山千寿 取材・文/冨部志保子
『家庭画報』2021年4月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。