村元選手の負傷によるダメージが心配されましたが、RD67.83点、FD84.03点の合計151.86点で小松原 美里&小松原 尊(ティム・コレト)組に次ぐ2位に。FD後に伺ったインタビューではお2人から前向きな課題が次々に飛び出しましたが、氷上での華やかさは圧倒的でした。写真/長田洋平(アフロスポーツ)まだ大会を未経験だった10月のインタビューの時に比べ、NHK杯、全日本選手権と終えたお2人は試合を通じて明らかに手応えを感じ、モチベーションがさらに上がったことが伝わってきたインタビューでした。
本誌3月号のインタビューで言及されていますが、過去に選手生命を左右するほどの大きな怪我に何度か見舞われている髙橋選手。普段、怪我に関して積極的には語りたがらない印象のある髙橋選手が、今回RD当日の公式練習で負傷するというアクシデントにも動じず、最後まで崩れず滑り切った村元選手をたたえるため、過去の怪我体験に自ら言及したのも印象的でした。髙橋選手のこういうさりげない優しさと強さが、パートナーの村元選手から“You have the big heart.”と言われる所以なのでしょう。
お互いを認め合い、リスペクトしている村元選手&髙橋選手組が魅せる氷上の舞踏会。世界選手権の補欠登録を辞退したニュースで皆さんご心配されていると思いますが、練習はできるものの、ミニマムポイント獲得期間に万全な膝の状態で挑めないこと、悪化をさせてはいけないことから補欠を辞退した状況だと聞いています。今は2022年開催予定の北京五輪出場を目指し、アメリカ・フロリダで練習を重ねているとのことですが、レベルアップしたユニゾンと、お2人ならではのその世界観を目にできる時を楽しみにしています。
この特集の掲載号 『家庭画報』2021年1月号・3月号
小松庸子/Yoko Komatsu
フリー編集者・ライター。世界文化社在籍時は「家庭画報」読み物&特別テーマ班副編集長としてフィギュアスケート特集などを担当。フリー転身後もフィギュアスケートや将棋、俳優、体操などのジャンルで、人物アプローチの特集を企画、取材している。