皮がはじけないように、お鍋の前から離れず火加減を見守らなければいけない、と思われがちな「黒豆」。カバーを使って、簡単に、そして美しく仕上げましょう。
「ホット・キルト」。黒豆を煮る鍋がそのまますっぽりと入る保温カバーの上下。(チェリーテラス)
●レシピ●黒豆
〈材料・4人分〉
・黒豆(大玉丹波飛切極上) 300グラム・A[砂糖300グラム、醬油大さじ11/2、塩小さじ1/2、さび釘3本]・ちょろぎ 適量・食用金箔 適宜〈作り方〉
1)大鍋に水1.8ℓとAを合わせて火にかけ、ひと煮立ちさせ、火からおろす。2)黒豆をため水にさっと通して洗う。1 の大鍋に入れて、そのまま5時間ほど漬けおく。3)2 を中火にかけ、沸騰前に弱火にし、あくと泡をきれいに取り除く。差し水1/2カップ程度を注ぎ、もう一度煮立てて、さらに同量の差し水をする。この間に浮いたあくや泡はきれいに取り除く。
4)落としぶたをし、その上から鍋にふたをしたら火からおろし、保温カバーに入れる。
5)3時間ほどして鍋の温度が下がったら、再び中火にかけて煮汁が熱くなるまで加熱する。火からおろして、再び保温カバーに入れる。豆が柔らかくなるまで、この手順を3~4回繰り返す。2回目以降の火入れでは、焦がさないように注意すること。
6)豆が柔らかくなったら味見をし、味が薄いようなら、ごく弱火で好みの甘さになるまで煮つめる。このとき、煮汁から豆が出ないよう注意する。
7)そのまま一晩おく。供するときは、上にちょろぎや食用金箔を飾る。
作り終えたら、お重に詰めましょう。きれいにおいしそうに仕上がる詰め方を、馬場香織先生に教わります。まずは「三種盛り」です。
●完成!●
手前と奥に「鯛の昆布締め菊花あえ」、真ん中に「菊花蕪」。その間には「卵黄の味噌漬け」を。
続いて「五種盛り」。品数が増えると難易度も上がそうですが、詰める順序に気をつけて、隙間には飾りを上手に用いれば、美しく、華やかに仕上がりますよ。
●完成!●
「たこときゅうりの酢の物」、「親子巻き」、「海老のうま煮」、「こんにゃくの煮物」、「ゆり根きんとん」の順序で詰めていきました。
最後は、おせちで活躍する「柚子釜」の作り方です。作り終わった後の、柚子の果肉と果汁はお料理に使いましょう。そして、種も意外な使いみちがあるそうです!
●完成!●
馬場先生は、柚子釜に「いくら大根おろし和え」、「黒豆」、「かずのこ」を入れて、壱の重に。
プロフィール紹介
●馬場香織/Kaori Baba
ご主人の赴任に伴い、10年間をシカゴ、ニューヨークで暮らす。現地の料理学校やホームパーティで経験を重ねて帰国。自宅で料理教室を主宰し、予約の取れないほどの人気を集める。著書多数。
●中村奈津子/Natsuko Nakamura
「田中伶子クッキングスクール」校長。香港、ニューヨーク、イタリアなどで各国の料理を学んで帰国後、母の料理教室に。最先端から家庭の味までレパートリーは幅広い。