昨年の10月にオープンした「銀座 茂松」。カウンターの中で寡黙に料理に向き合うご主人の松原茂之さんと、サービスを担当する女将さんのご夫婦が醸し出す温かい雰囲気も魅力の、こぢんまりとした居心地のよいお店です。
松原さんの手による料理は、季節の食材を大胆に使い、そのおいしさを素直に、そして力強く伝えるスタイルが特徴です。松茸に甘鯛を挟んで揚げ、生うにをたっぷりとのせた一品は、季節のご馳走である松茸を存分に楽しむ、迫力ある仕立て。
一方、車海老と柿、梨の前菜には生麩を組み入れて意外性のある食感をしのばせるなど、ちょっとした変化を利かせます。そしてこちらに添える土佐酢ソースと白あえソースの2種類のソースは、いずれもキリッと決まった味わいが印象的。細部の丁寧さが光り、かつ全体のインパクトも楽しめる仕立ては、松原さんのどの料理にも共通する魅力。そんな料理を求めて通い詰める常連さんも多い、注目のお店です。
天然すっぽんと下仁田ねぎのグラタン風。下仁田ねぎのピュレを入れたベシャメルソースの中ですっぽんのおいしさが際立つ
車海老、柿、梨、生麩を土佐酢と白あえで
ご主人の松原茂之さん。
Information
銀座 茂松(ぎんざ しげまつ)
東京都中央区銀座6-5-15 銀座能楽堂ビル4階
- 料金の目安:夜コース1万5000円、2万円、3万円。 写真は夜1万5000円のコースより。 要予約 全19席 カウンター7席、個室2室(4名、8名)
「家庭画報」2017年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。