お店に入った瞬間、街の喧騒から一転して非日常に包まれることも、レストランを訪ねる楽しみの一つ。いつもよりお洒落をして出かけたくなる場所が集まるのは、昔も今も変わらない銀座という街の魅力です。
ここ「梧洋」もそんな一軒。春日杉の扉を開けると銀座7丁目の賑わいから完全に隔離された静寂な空間に迎えられます。木曽檜の一枚板を使った清々しいカウンターの前に立つのはご主人の勝又茂美さん。鳳凰が巣を作るといわれる梧あお桐ぎりの「梧」に「洋」の字を合わせ、「皆の幸せが広がるように」と願いを込めた店名を掲げ、昨年12月、料理人人生の集大成として、ここ銀座に開店しました。
清々しさと温かさが共存するカウンター席にて。
「旬の食材の力強さを料理から感じていただけたら」と話す勝又さん。極力手をかけずに、というもののシンプルであるがゆえに、熟練ならではの風格がひと皿ごとに感じられます。季節の味で一献楽しむ、至福のひとときが約束されています。
石川いものぶぶあられ揚げ、いちじくやすっぽんのから揚げにみぞれ餡をかけて炊き合わせ風に。
古代塗りの招寿椀に盛りつけた毛蟹と松茸のお椀。
Information
梧洋(ごよう)
東京都中央区銀座7−3−13 ニューギンザビル地下1階
- 料金の目安:コース2万2000円。 要予約 全19席 カウンター7席、個室2室(各6名)
表示価格はすべて税抜きです。
「家庭画報」2017年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。