『スター』
朝井リョウ 著/朝日新聞出版映画制作を目指す者の登竜門になっている映画祭で、グランプリを受賞した尚吾と紘。
祖父の影響で名作、本物を見続けてきた自負のある尚吾は、憧れの名監督のもとに。撮影対象の最高の瞬間を野性的な勘でとらえる紘はYouTubeを発表の場に。大学卒業後、ふたりはそれぞれの道を進み始める。
有料であることが質の担保につながっていた映画と、中身はどうあれ誰もが発信でき、再生回数を増やすことが最優先されがちな無料動画など、単純にはいい切れないほどここ10年の技術革新で激変した世界。
つくり手だけでなく、受け手の映像に対するスタンスも考えさせる長編小説。
「#今月の本」の記事をもっと見る>> 『家庭画報』2021年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。