あてがきだけど、決して速水のような人間ではない!?
大泉さんをモデルに書かれた主人公の速水は、大手出版社・薫風社が出版するカルチャー雑誌『トリニティ』の編集長。廃刊の危機にある『トリニティ』を救うべく様々な企画を仕掛けていきますが、その中で繰り広げられる嘘、裏切り、リーク、告発……。吉田監督からは、「感情がなるたけ出ないように、何を考えているかがなるたけわけらないようにしてほしい、もっと淡々と飄々としてくれる?って、言われることが多かったかもしれない」という大泉さん。軽妙なトークで親しみを感じさせ、誰からも愛される速水。そういったキャラクターは、あてがきされただけあって、大泉さんとも共通しているように思えます。ただし、その笑顔の裏には隠し持つ牙が。
「私にあてがきしたという触れ込みですから、私がそういう人間なんだと勘違いされる方も多いかもしれませんけど……。三谷幸喜さんもあてがきなさる方で、三谷さんが書いても私には二面性があって。必ず裏ではとんでもなく悪いことをしている奴に書かれるわけですよ。でも、決して私はそういう人間ではない。速水は、僕よりもずっと切れ者で、仕事もできて、部下への対処とかも格好よくて。映画では、さらに力強さというか、自分のやりたいことに正直で貪欲っていうような感じが際立っていて、そこが面白いなと思いましたね」
原作を読み、「“速水、格好いいな”って、うれしかったですね。(自分は)死んでもこんなに格好よくねぇわと思ってましたけどね(笑)」