カウンター７席、路地裏で楽しむ端正な握り 「すし家」

銀座の路地裏、古きよき昭和の名残を留めるその一角に、ポツンと灯る「すし家」の看板。犬矢来の佇まいも粋なこの店で、一人板場に立つのは若き親方の石山孝雄さん。20歳のときから銀座「かねさか」で修業を積み、４年前、弱冠28歳にして同店を任されたほどの実力派です。

下ごしらえの手間暇はもとより「どんなに忙しくても、妥協せずに心をこめて握っています」の言葉どおり、一かん一かんを端正に、それでいてリズミカルに握る姿が印象的です。今が旬の新イクラは軽くだし醬油に漬け、うまみの濃い本まぐろの赤身は即席の漬けにするなどひと仕事したネタがテンポよく出されるのもおいしさの秘訣でしょう。




握り中心のランチは、夜に比べやや大きめに握っているそう。わずか10坪、カウンター7席の静謐な空間は、小さいながらもゆったりとした気分でおすしを楽しめます。