コロナ禍でも、症状があれば迷わずに受診を
今、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、受診や検診・健康診断を控える人が増えています。
「先日出た米国の論文でも、パンデミック以降、米国で胃を含めた消化管内視鏡検査の実施数が減っていることが示されています。受診を迷っているうちに胃もたれや胃痛といった胃の不快な症状が消えたという人はそれでいいのですが、長く不調が続く人は、このコロナ禍でも受診を躊躇しないでほしいですね。もちろんすでに治療を受けていて、経過観察中の患者さんの定期的な受診も同様です」
また、特に気になる胃の症状は感じないとしても、50代以上では「職場の検診や自治体の健康診断、人間ドックなどをタイミングをみて受けてもらいたいですね。その際には、胃だけではなく、食道や十二指腸の状態も調べてもらうといいでしょう」と河合先生は話します。
以下の20項目で、胃の不調や病気のチェック
1) 食べるのが人よりも速い
2)いつも満腹になるまで食べる
3)料理や飲み物は熱々のものが好き
4)スパイスのきいた辛いものを好む
5)脂っこいものをよく食べる
6)タバコを吸う、あるいは身近に喫煙者がいて副流煙をよく吸う
7)アルコールを飲む機会が多い、あるいは1回の飲酒量が多い
8)食後すぐに寝転んだり、眠ったりする
9)食後すぐに前かがみで仕事などをすることが多い
10)猫背といわれる
11)ウエストや下腹部を締めつける服装をすることが多い
12)肥満あるいは肥満気味である
13)空腹時に胃の調子が悪くなる
14)ストレスで胃が痛くなることがよくある
15)食後や就寝中に咳が出る
16)胸やけやゲップとともに胃液が上がってくることがよくある
17)食後に胃もたれする、あるいは胃が重いと感じる
18)以前に胃にピロリ菌がいる、あるいは萎縮性胃炎があるといわれたことがある
19)家族にピロリ菌がいるといわれた人がいる
20)これまでに胃・十二指腸潰瘍や胃がんになった経験がある
※当てはまる項目が多いほど、胃の不調や病気の可能性が高いといえます。
取材・文/小島あゆみ イラスト/にれいさちこ
『家庭画報』2021年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。