365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
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ゲストの一覧 【お悩み】認知症予防できる食べ物はありますか?
認知症にならないよう、日々、頭と体を使うようにしていますが、認知症予防につながる食生活の工夫はありますか?
【回答】カレーに含まれる「ウコン」がおすすめ
認知症の予防食としてカレーに注目が集まっています。
長年、老年内科で多くの方を診てきた、いのくちファミリークリニック院長・遠藤英俊先生の著書『最新 ボケない!“元気脳”のつくり方』より紹介します。
カレーには香辛料として、生薬のウコン(英語名はターメリック)が使われますが、このウコンに含まれているのがクルクミンというポリフェノールです。クルクミンには抗酸化作用と肝臓保護作用があり、アルツハイマー病の発症に関わる物質・アミロイドβの凝縮を抑制するという研究データが出ています。
大豆などと一緒に摂るとさらに効果的今では、ウコンのサプリメントも多く、簡単に手に入りますが、肝臓の病気を持つ人にはあまりおすすめできません。できれば食事で摂取しましょう。そこで、多くの人に好まれ、作りやすいのがカレーです。
カレー作りは、市販のルーを使ってかまいませんが、ウコン(ターメリック)が配合されているものを選びましょう。また、大豆などに含まれるレシチンという成分はクルクミンの吸収を助けてくれます。大豆カレーにしたり、納豆と組み合わせるなどして取り入れてもよいでしょう。
また、スパイスは油と摂ると吸収されやすくなると言いますので、オリーブオイルなどを使うのもおすすめです。注意すべきこととしては、辛すぎると胃腸に強い刺激を与えるため、無理に辛くする必要はありません。そもそもクルクミンを含むウコン(ターメリック)自体は辛くありません。
調理することが認知症の予防にもさらに、「自分で調理すること」も認知症の予防につながります。
認知症発症の初期のチェックポイントとして、「調理をすることが困難、億劫になる」ということが挙げられます。
調理は「段取り」を考えながら、実際にその手順に沿って行動をするという、複雑な作業でもあります。調理以前にも、冷蔵庫にある食材を見て現状を認識し、足りないものがあれば購入する。人数に合わせて分量を考える、などの流れがあります。
スムーズに調理ができることは、“元気脳”の証あかしなのです。
カレー粉で作る豆腐カレーのレシピ
<材料(2~3人分)>
・ひき肉 100g(鶏でも豚でもお好みで。スライス肉でもよい)
・豆腐 1丁(厚揚げ、焼き豆腐でも)
・玉ねぎ 1個
・ピーマン 2~3個
・しめじ 1パック
・にんにく 1かけ
・しょうが 1かけ
・カレー粉 大さじ1~2
・トマトケチャップ 大さじ2
・しょうゆ 大さじ1
・サラダ油 大さじ1/2
・水溶き片栗粉 片栗粉大さじ2と水大さじ4を混ぜたもの
<作り方>
1.切る
にんにく、しょうがをみじん切りにする。玉ねぎは細めのくし切りにする。ピーマンは種を取って、1 cmくらいの細切りに。しめじは石づきを切り落とし、適度にほぐしておく。
2.炒める
フライパンにサラダ油を入れて熱し、みじん切りにしたにんにく、しょうがを炒める。香りが出てきたらカレー粉、トマトケチャップを入れる。1 の玉ねぎを加え、さらに炒めてひき肉、ピーマン、しめじを入れて炒める。
3.軽く煮込む
2 のフライパンに水500mlくらい(ひたひたになるくらい)を加え、煮る。豆腐をひと口大に切るか、適当な大きさにくずすなどして入れる。
しょうゆを回し入れ、最後に水溶き片栗粉を入れ、1~2分加熱する。同じ作り方で水分量を少なくすればカレー炒めにもなる。
遠藤英俊/Hidetoshi Endo
1982年滋賀医科大学卒業、87年名古屋大学大学院医学研究科修了。国立長寿医療研究センターなどで内科医および老年科医として長年研鑽を積み、 2021年より、いのくちファミリークリニック院長。 日本認知症学会理事。認知症の専門医として、認知症の予防プログラムや介護プログラム、認知症サポート医への教育、啓蒙活動などに取り組む。
イラスト/umao 編集協力/山岸美夕紀
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