1世紀前の意匠を今に──立体的なフォルムの魅力
コート41万6900円/ランバン1889年に誕生した、現存するフランス最古のクチュールメゾン「ランバン」。装う人の内なる強さと美しさを映し出す洗練されたデザインで、いつの時代も女性を魅了しています。
アールデコの隆盛により、直線的なシルエットが好まれた1920年代。創設者のジャンヌ・ランバンはドレスにロマンティックな要素を取り入れるため、スカート部分をパニエで膨らませた柔らかなラインの「ローブ・ド・スタイル」を制作し脚光を浴びました。
今季は、このメゾンのシグネチャーを現代的に昇華したスプリングコートが登場。ボディ部分は、裾に向かい身頃の幅が広くなっており、装うとテントラインに。
袖は卓越したパターン技術で立体的に仕立てられ、オフネックの大きな襟はエレガントな印象をもたらします。
着心地と着映えを叶える計算し尽くされた一枚
厳選された素材と確たる職人技で、着心地のよいワードローブを手がける「ランバン」。上質なウールシルク素材のコートは、上品な光沢と張り感を湛え、着心地も軽やかです。優しいクリームイエローは、レフ板効果があり顔映りもよくしてくれます。
大きめのポケットやくるみボタンなど細部までデザインの妙が光る一枚は、パンツはもちろん、裾が広がるロングスカートなどにも好相性です。
メゾンに受け継がれるセンスと技術が凝縮した、モダンな春の主役コートです。
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撮影/ケヴィン・チャン
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。