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新納慎也さんが“見えない感情までも表現する”ミュージカル『スリル・ミー』

2021.04.22

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〔今月のミュージカル・演劇〕

ミュージカルの極意“見えない感情までも表現する”


新納慎也さん

“私”と“彼”だけで繰り広げられるミュージカル『スリル・ミー』。

今や話題作として注目される作品になりましたが、10年前の初演のときは“私”を演じる(田代)万里生と2人で食事に行ったり、稽古場で「2人きりにしてください」とお願いして話し合いを重ねたりすることで共通認識を深めていきました。


クリエイティブスタッフとも、例えば英語で「イエス」とだけ書かれた台詞は、日本語でどういえば、いちばん“彼”らしいのだろうか、あるいは語尾をどうすればちょっとしたニュアンスが表現できるかなど、半年ほどかけて創り上げていったんです。

片田舎の閉鎖的な社会で生まれ育った2人は、IQが人並み以上に高い頭のいいカップルです。初演では人物像が手探り状態で「“彼”は“私”を愛しているのだろうか。彼が何を考えているのかわからない」という感想を聞いたことがありました。

でも、それがまさに正解なんです。この物語は“私”の回想によって語られるので“彼”の真実は描かれていないんです。だから、万里生と僕は「2人の間には自分たちだけがわかる愛情表現があって、2人の恋愛関係は成立している」という共通認識を持っています。

演出の栗山民也さんはミュージカルとストレートプレイの本質的な違いを求めないかた。「歌い上げすぎないように」など、よりリアルな表現を求められます。その結果、100分で22曲もありますが、ストレートプレイも見たような感覚で楽しめると思います。

新納慎也(にいろ・しんや)

1975年、兵庫県出身。舞台を中心にキャリアを積み上げ、今年デビュー30周年を迎える。近年の出演作品はNHK大河ドラマ『真田丸』、映画『さんかく窓の外側は夜』、ミュージカル『生きる』など。NETFLIX映画『彼女』、2022年の三谷幸喜が脚本を手がけるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも出演が決まり、話題となっている実力派。

ミュージカル『スリル・ミー』


『スリル・ミー』

1920年代にアメリカで実際に起こった凶悪事件を題材に作られたミュージカル作品。舞台には1台のピアノが置かれ、“私”と“彼”という2人の登場人物だけで繰り広げられる100分間の心理劇である。

日本では2011年に初演され、10周年を迎える今回の公演では、初演時に共演した田代万里生と新納慎也の伝説のコンビが復活。ほかに18年から出演している成河と福士誠治、そして10年の節目に行われたオーディションで選出された松岡広大と山崎大輝の3組で上演される。

東京芸術劇場シアターウエスト
~2021年5月2日
9500円(全席指定)
ホリプロチケットセンター:03(3490)4949
URL:https://horipro-stage.jp/stage/thrillme2021/
※群馬、愛知、大阪公演あり

※この情報は、掲載号の発売当時のものです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。
取材・構成・文/山下シオン

『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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