——昨年は、コロナ禍で残念ながら出演予定だったミュージカル『エリザベート』が中止になりました。久しぶりの帝国劇場の舞台です。「やっぱり長い間、お世話になっている劇場ですし、待ち望んでいた感じがあります。今日、久しぶりにロビーに来たんですけど、ちょっとホッとするような感じがあって。数年前までは、ここに来るとドキドキドキドキしていたのに。落ち着く場所になったなと思います」
——それって、すごい変化ですよね。「何が変化してそうなったのかわからないですけど。でも、(ミュージカル)『黒執事』(シリーズ)で初めて大きな舞台の主演をしたときに、ちょっと考え方が変わったんです。舞台をやることの責任をより感じて。さらに、前回の『モーツァルト!』は、帝劇での主演で。舞台には、すごく多くのスタッフの方が関わっていて、劇場にお客さまが来るっていうことも本当にすごいことだと思うんです。時間もかかるし、お金もかかるし。そういう空間を背負って立つことは、きっと僕の中で大きな経験になったと思います。ただ、僕はまだ変化球が投げられるというか。いろいろ試して楽しめる。さらに大きく作品を背負う立場になったら、また変わるんじゃないかなと。何かを背負うとか、期待されるとか、プレッシャーって人を大きくするんだなと思います」
——2019年には、ずっと目標だったという『エリザベート』のトート役も手にしました。目標だった役を演じたことでの変化もありますか?「目標としていたものにたどりついたけど、その目標は果てしなく遠いものでした。やってはみたものの、俳優の道と一緒でトート役にも答えがなくて。だから、やりきるのはいつなんだろう、みたいな感じにはなっています」
——演じられたから目標達成、ではないんですね。「達成ではなかったです、全然。むしろより遠く感じるというか。こんな果てしない役があるんだ、と。トートは今なお目標です」
昨年、『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』に出演。同じ帝劇でも「作品とコンサートでは違った感覚」だという。