50歳を過ぎたらスポーツ界に恩返しすると決めていたと話す小谷さんに「おっしゃいましたね。依頼殺到ですよ」と松岡さん。安心安全に開催できれば日本は尊敬される国に
「成功したときにはきっと世界中の人が『おめでとう』『ありがとう』といい合える大会に」── 小谷さん
松岡 海外の関係者とやり取りをしていて、大会への不安などを耳にすることはありませんか。
小谷 それが、ないんです。みなさん、日本をすごく信頼していて、来日を楽しみにしています。
松岡 海外の人たちの日本や日本人に対する信頼の大きさは、僕もいつも感じています。もっと日本のみなさんに知ってほしいですね。
小谷 同感です。もう一つ知ってほしいのが、今後、世界的にコロナ禍が収束に向かい、しっかりとした感染対策のもとで東京2020大会が安心安全に開催できたら、日本は間違いなく、世界中の尊敬と憧れと信頼を集めるということです。
松岡 はい! そのために必要なのが協力ですね。僕は応援団長として全国で「全員参加」を呼びかけてきましたが、今こそ全員が協力するときではないかと思います。
小谷 おっしゃるとおりです。選手団だけでなく、日本だけでもなく、世界中の人が協力しなければ、感染対策も行動規制も成り立ちません。そのかわり、大会が成功したときには、すべての人が「ありがとう」「おめでとう」といい合える大会になると思うんです。みなさんに協力してもらえるよう、「あなたの我慢が大会の成功、みんなの喜びにつながるよ」と笑顔で呼びかけるような、温かい対策と規制を目指します。
松岡 小谷さんらしくて、素晴らしいです。僕も全力で応援します!
小谷実可子さんより〜
対談を終えて
2020年秋の、東京2020大会の水泳競技会場、東京アクアティクスセンターの完成披露式典にて。© 新華社/アフロ松岡さんとは、かつて「婚約中」と報道され、その後、ソウル五輪でご一緒だったにもかかわらず、当時はひと言もお話しする機会がないまま、競技を終えました。
また、のちに水泳の世界選手権の放送でも、幾度となくお仕事をご一緒させていただきましたが、実はゆっくりじっくりお話しすることができたのは、今回の対談が初めてでしたので、大変嬉しく、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
立場は違えど、スポーツを、そして、オリンピック・パラリンピックを、応援する気持ちは一緒、私はお母さん(母)のような気持ちでお話しいたしましたが、松岡さんは、まさに「スポーツ界の熱い大黒柱」(父)、ということは、私たち、やはり夫婦なんですね。
次回は、オリパラの会場でお会いできることを、楽しみにいたしております。
撮影/鍋島徳恭 スタイリング/中原正登〈FOURTEEN〉(松岡さん) ヘア&メイク/住本由香〈マービィ〉(小谷さん)、井草真理子〈APREA〉(松岡さん) 取材・文/清水千佳子 撮影協力/ザ・リッツ・カールトン東京
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。