――平方さんが演じるのは、過去を振り返る主人公フランク。世渡り上手な結果として、作曲家になるという当初の夢がどこかへ行って、映画のプロデューサーとして成功しているところが面白いです。「そこに辿り着くの⁉という面白さがありますよね(笑)。仕事をしていると、嫌でもやらなきゃいけないことや、理不尽なことがいろいろと出てくるじゃないですか。自分に嘘をついて、本当にやりたいことよりも、そっちを選んでやってきた結果が、今のフランク。人は、そうやって自分についてきた嘘が積み重なっていくと、彼のように立ち止まって過去を振り返ることになるんだろうなと思います」
――かつてフランクの親友だったチャーリーとメアリーを演じるのは、ウエンツ瑛士さんと笹本玲奈さん。3人とも1985年生まれだそうですね。「そうなんです。ただ、ウエンツくんのことは、子どもの頃から『天才テレビくん』で見ていましたし、玲奈ちゃんは『ピーターパン』をやっていた人。僕からしてみれば、そんな2人と舞台に立てるなんて!という感じです。ウエンツくんとは1度ご飯を食べに行ったことがあって、そのとき、本当にミュージカルが好きなんだなと感じましたし、普段バラエティ番組で見ているのとまったく違うトーンの話ができたことは、僕の中では大きな収穫でした。留学後1本目の舞台でプレッシャーもあると思うんですが、ウエンツくんならそれも楽しめるんだろうなと感じています。玲奈ちゃんは、よく考えて言葉を丁寧に発する人。この機会に、2人と本当の親友になりたいです」
マリア・フリードマンは、英国ウエストエンドを代表する女優。ソンドハイムからの信頼も厚く、1992年のロンドン公演でメアリーを演じた『メリリー~』で演出家デビューし、新たなキャリアを刻んだ。