――平方さんの子どもの頃の夢は何だったのでしょう?「乗り物が好きで、パイロットになるのが夢でした。でも母親に、“元くんはよくお腹をこわすから、そういう人にはパイロットは無理じゃないかな。きっと、何百人もの命を預かる責任の重さに耐えられないと思う”と言われて、その夢は消えました(笑)。」
――お芝居の道に進もうという夢はいつ頃から?「正直、自分がお芝居をやることになるとは、思ってもみなかったんです。大学を出て、サラリーマンになるもんだと思っていました。でも地元の福岡でバイト生活をしていたときに、知り合いを通じて今の事務所の社長と会う機会があって、そこからなりゆきで事務所に入ることになったんです。上京を決めたときも、夢を抱いてというよりは、思い切って東京に行ってみようという気持ちでした」
――現実的なお母さまは、そんな平方さんをどう送り出したのですか?「絶対に心配すると思ったので、僕が母親に話したのは、上京する3日前なんです。家も決めずに東京の友達の家に転がり込みました。だから母は“は? なん言おうと?”という反応でしたね。今はもちろん応援してくれているんですが、いまだに現実が理解できていないみたいで、母は僕の舞台を観に来ても“へえ、本当にやっとうやん”という感じです(笑)。僕も僕で、東京のことがまったくわかっていなかったから、居候先の友達の家に、福岡から段ボールで16箱も荷物を送っちゃって(苦笑)。めちゃくちゃ怒られて、本当に必要な物以外処分したら、布団とひと箱分の荷物だけになりました(笑)。勢いだけだったんですよね、本当に」
作詞・作曲はスティーブン・ソンドハイム。「ソンドハイムの楽曲は難しいものが多いんですが、この『メリリー~』に関しては、明るくて挑戦しやすい楽曲が多いという印象です」と平方さん。