365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
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ゲストの一覧 【お悩み】デリケートゾーンのお手入れは、何から始めればよいですか
基本的な考え方を知りたいです。
【回答】顔や体のケアと同様、「清潔にする、潤す、知識を備える」の3点を
今、「フェムテック」がトレンドになっているように、デリケートゾーン(膣まわり)のケアに、多くの女性が興味を持っています。
ところが、これまでも悩みはあったのに(自身の体、自身の問題であるにもかかわらず)まるで知識がないのが現実です。そんな現状を変えたいと、長きにわたり尽力している植物療法士の森田敦子さんに、膣まわりケアの基本を伺いました。
1.見て、触れて、理解する「抵抗感がある方もいらっしゃると思いますが、デリケートゾーンは自分の一部。まずは見て、そして清潔な指で触れてみてください」と森田さん。
確かに、膣まわりは、肝臓や腸といった内臓と異なり、自分で見ることができます。「せっかくお手入れをするのですから、よくわからないまま取り組むのではなく、これからもお世話になるね、ありがとうの気持ちで優しく触れて」(森田さん)
2.適切に洗い、潤すデリケートゾーンは、柔らかな粘膜で覆われた、体の内と外をつなぐ場所。絶えず粘液を分泌しているので、衛生を保つことが大切です。
そこで、「デリケートゾーン専用の洗浄料を用意しましょう。ボディ用の洗浄料は、皮膚用に作られたものなので、粘膜組織である膣まわりには刺激が強く、ヒリつきや乾燥の原因に。ボディソープでの洗浄はやめるべきです。
一方で、においやかゆみの元となる、恥垢(ちこう)と呼ばれる垢は、pHがあまり低いものだと落とせません。ですのでデリケートゾーン専用に開発された洗浄料を使ってください。そして、粘膜は十分に潤っていることで機能を果たすので、洗浄したら潤して。洗浄料同様、デリケートゾーン専用に処方された保湿剤を」(森田さん)
3.“マイ婦人科医”を持ち、知識を備える「デリケートゾーンには、月経、妊娠・出産、更年期、閉経といったライフイベントばかりでなく、女性ホルモンの影響もあれば疾病リスクもあります。
お手入れ法や、心地よく過ごすためのハウツーといったデイリーに役立つアイディアも大切ですが、それに先立つのが“女性という性の持つ体の基本知識”。これを備えることは本当に重要です。40代以降になったら、信頼できる“マイ婦人科医”を持ってください」(森田さん)
デリケートゾーンケアアイテム
森田敦子/Atsuko Morita
植物療法士。客室乗務員時代に植物療法に出合い、フランス国立パリ13大学で植物薬理学を学ぶ。帰国後、フィトテラピー(植物療法)やアロマテラピーを取り入れたバイオベンチャーを設立。その後、植物療法を追求しながら女性のからだを第一に考え、デリケートゾーンのためのブランドを立ち上げる。2020年には、トータルライフケアブランド「Waphyto」をローンチ。『自然ぐすり』『潤うからだ』(ともにワニブックス)ほか著書多数。