365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
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ゲストの一覧 【お悩み】デリケートゾーンのお手入れは、本当に必要なの?
これまで注目してこなかったデリケートゾーンのケア。取り組むことで、今後、どんなメリットがあるのでしょうか。
【回答】デリケートゾーンは「私の一部」。自らをケアすることで、好循環が生まれます
皆さんは、人生100年時代という言葉に、どのようなイメージを持つでしょうか。何の不安もなく“1世紀を超えて生きられるなんてワクワクしちゃう!”という方は、あまり多くないかもしれませんね。
ところが、フランスの大学で植物薬理学やセクソロジー(性科学)を学んだ森田敦子さんは、「デリケートゾーンを中心とするセンシュアルなケアに取り組むことで、年を取ることが怖くなくなります!」と笑顔で語ります。それはなぜ? 答えの一つは、フランスにありました。
フランスでは、マダムは敬愛の対象「フランスの哲学者、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの言葉、『人は女に生まれるのではない。女になるのだ』からもわかるように、フランスの女性は、年を重ねるほどに熟成して、存在感を増していくように感じます。
もちろん、フランスと日本では歴史も文化も異なりますし、単純に比較するのはナンセンスかもしれませんが、女性性をとても大切にしていることをふとした瞬間に感じることが多くあります。例えば高齢の女性がお洒落をして、パートナーと親密にしていても、“いい年をして……”と白い目で見られることはありません」(森田さん)
北欧やフランスの高齢女性のフェムケア事情また、森田さんは、介護や医療の現場でもデリケートゾーンケアの重要性を啓蒙しており、フランスやドイツの介護施設で研修をした経験も。
「フランスや北欧の国々の高齢女性は、デリケートゾーンのケアが行き届き、いくつになっても膣まわりがプリプリと潤っていて、自立や尊厳に関わる排泄機能もしっかりと保たれています。一方、日本の介護の現場では、ケアをしてくれるところはほとんどなく、オムツをつけて“シモの世話”になってしまう。
そのような状態に置かれては、着るものや髪型に気を遣いたくても、モチベーションを保つのは難しいですよね。デリケートゾーンや排泄機能の状態は、QOLとまさに呼応しているのです。
でも、日本でも少しづつ視野を広げようと活動している介護関係者も増えています。海外の介護施設の見学にもきてくれた、広島の医療法人社団八千代会の関係者のみなさんは、ヨーロッパと同じケアを日本で取り組んでくれています」(森田さん)
自分を大切にするから、大切にされる森田さんは、この分岐点を「センシュアルなケアの有無」と言います。
「女性器には繊細な感覚が備わっています。その“宝物”を、心地よく保つのか、ないがしろにするのか。自分自身を大切にする人は、周囲からも大切にされるものです。自らを慈しむことで、周囲を巻き込んだ好循環が生まれれば、いくつになっても人生を楽しむことができますよね」(森田さん)
華やかに恋をする!「ブリリアント・エイティ」宣言センシュアルなケアに取り組み、人生を堪能する──「それをまさに実践しているのが、数年前まで生活を共にしていた、作家の桐島洋子さん。80歳を迎えたとき、『敦子さん、私もブリリアント・エイティしないとね』とおっしゃったのです。またロングセラーを書くの?と聞いたら、『そんなの、どうでもいいわ。ブリリアント・エイティっていうのはね、華やかに恋をすることよ』と(笑)。これには本当に心を動かされました。私も負けていられません(笑)」(森田さん)
森田敦子/Atsuko Morita
植物療法士。客室乗務員時代に植物療法に出合い、フランス国立パリ13大学で植物薬理学を学ぶ。帰国後、フィトテラピー(植物療法)やアロマテラピーを取り入れたバイオベンチャーを設立。その後、植物療法を追求しながら女性のからだを第一に考え、デリケートゾーンのためのブランドを立ち上げる。2020年には、トータルライフケアブランド「Waphyto」をローンチ。『自然ぐすり』『潤うからだ』(ともにワニブックス)ほか著書多数。
イラスト/umao 取材・文/佐野有子
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