3.オークションで買う
セカンダリーの代表格といえば、オークション。
「オークションでは、世界的にスペシャリストがスクリーニングした作品をその時の市場価格で購入することができます」と話すのは、フィリップス・オークショニアズ日本代表の服部今日子さん。
「チームワークを駆使して、過去の展覧会歴、所有者歴、プライマリー価格などを徹底的にリサーチして予定落札額を設定しています」。実際に多くの人がそのカタログを参考に。
「オークションは、いち早く世界情勢が反映されるので、トレンドを知るうえでも有益です。今は、“ダイバーシティ(多様性)”が重視されるため、人種や性別がミックスして活況を呈しています。ロット番号3番ぐらいまでがプライマリーマーケットで大注目されている作家が出品されていると覚えておくとよいでしょう」。
スマートフォンでの参加を初導入、フィリップス・オークショニアズ日本代表の服部さんのコレクションは、国内外の若手から、大家の黒田泰蔵まで多彩。いち早く、現代アート、デジタル、アジア市場に注力した「フィリップス・オークショニアズ」。スマートフォンでの参加を業界で初めて導入した功績は大きい。2020年12月に開催した際にはNYと香港の現代アート部門で史上最高額をたたき出した。自身もコレクターの服部さんは「現代アートは作家と一緒に時代を生きることでき、世界に仲間が広がるのが魅力」と語る。
過去のカタログ。東京都六本木6-6-9 ピラミデビル4階
TEL:03(6273)4818
営業時間:10時〜17時
4.シェアで買う
もう一つ、“共同購入”という新しい方法もあります。わずか1万円の会員権を購入することで、アートのオーナー権を得られる「アンドアート」です。扱う作品は有名どころばかり。
「低額から始められ、展示場所にも困らないのが強みです。少額でも購入という行為が発生すると、アートを“自分事化”してより身近に感じることができます。コレクターの裾野がそうして広がることを望みます」と代表の松園詩織さん。コレクターへの一歩として、一つの選択肢です。
「アートビギナーでもアートを所有する喜びを知ってほしい」と代表の松園さん。アートをシェアするという新概念
ANDART過去、販売された会員権の一つ、バンクシーの『Jack and Jill(Police Kids)』(2005)。バンクシーは毎回即時完売する人気作家。2019年に誕生した日本初の会員権プラットフォーム「アンドアート」。現在会員数は8000人を超える。1万円からオーナーになることができ、オーナー証明書の発行、オンライン上でのマイギャラリー設置、限定鑑賞会への参加が許される。一定期間を過ぎれば会員間での権利の売買も。扱う作品には、バンクシー、奈良美智、アンディ・ウォーホルなど有名どころ。
キャリアのある美術のプロのアドバイスのもと、作品選定から会員へアートの価値の透明性を目指すレポーティングまでを行う。2021年5月10日まで明治神宮 宝物殿にて名和晃平『Throne(g/p_pyramid)』を一般公開。2020年秋には若手作家の作品を販売する「ユーアンドアート」もスタート。
URL:
https://and-art.jp/KAWS『NO REPLY』(2015)のオーナー限定鑑賞イベント。