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視力は心の状態や認知症にも影響。 目の仕組みと病気を知って目の健康を見直そう

2021.05.11

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目を酷使することが目の老化を加速させ、加齢による眼病を増やして発症も早める


「近くを見るときのほうがピント調節力を必要とするため、目の筋肉にも負担がかかります。コロナ禍の影響でスマホやタブレット、パソコンなどのデジタル機器を一日中見続けることが日常茶飯事になりつつある今、以前にも増して多くの人が目を酷使しています」

そして、この状況が目の老化を加速させ、加齢とともに起こりやすくなる目の病気を増加させてその発症も早めていると平松先生は警告します。

中高年から気をつけたい失明原因になる目の病気


こうした背景のもと、増えている疾患の一つが日本人の失明原因第1位の緑内障です。


「近視の人や本をよく読むなど手もとを見ることの多い人はハイリスク者といわれてきました。そこに目の使いすぎが加わって発症リスクがより高まっています。40代以上の20人に1人、70代では10人に1人が緑内障にかかり、末期になるまで自覚症状がないため手遅れになりがちです」

また、50代から多くなる加齢黄斑変性症は目に光を浴びすぎると網膜の中央にある黄斑の老化スピードが加速することが指摘されています。

「この病気は“目の生活習慣病”とも呼ばれ、脂っこいものを食べたり、たばこを吸ったりする不摂生な生活がベースにあるので、このような素因を持つ人は特に気をつけましょう。ちなみに日本人の失明原因の第4位になります」

これらの病気に比べて失明のおそれは低いものの、白内障にも注意が必要です。この病気も発症年齢が以前よりも早まっており、50~60代での手術も珍しくありません。



中高年の視力障害や失明原因になる目の病気


●緑内障
眼圧が上昇することなどで視神経が障害されて視野が狭くなる。両目に起こることが多く、末期になるまで自覚症状がないため、失明する危険性が高い。近視の人、家族に緑内障患者がいる人、高血圧症や糖尿病がある人、ステロイド薬を使っている人は緑内障にかかりやすいといわれている。

●糖尿病網膜症
糖尿病の合併症の一つで、網膜の血管が障害されて視力が低下する。細かい血管が密集している網膜は血糖の影響を受けやすく、血管が詰まったり出血したりしやすいが、自覚症状に乏しい。小さな出血を見逃して放置すると突然大出血を起こして失明することがある。

●網膜色素変性症
網膜にある光を感知する視細胞が障害されることにより暗いところが見えにくくなったり(夜盲)、視野が狭くなったりして病気の進行とともに視力が低下してくる。

●加齢黄斑変性症
喫煙、肥満、紫外線などの影響により黄斑の老化スピードが速くなり、視力が低下したり、見え方の異常が起こったりする。「目の生活習慣病」とも呼ばれる。

●白内障
目の老化現象の一つで、ゆるやかに進行することが多い。水晶体が白く濁るため、目のかすみや視力の低下、複視、光がまぶしいといった症状が見られるが、自覚症状を感じにくい。



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