手遅れにならないように2年に1回は眼底検査を
「目の病気がやっかいなのはゆるやかに進行するために自覚症状に乏しく、気づいたときは手遅れになっている場合が多いことです」と平松先生はいいます。
早期発見には、ほかの病気と同じように検診が有効です。ただし、視力検査や眼圧検査では不十分で、失明原因になる病気に早く気づくには眼底検査を行うことが重要です。
「目の写真を撮るだけなので体への負担はなく、緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症がわかります。40~60代は2年に1回、70代以上は年に1回、人間ドックのオプション検査として受けるのがよいでしょう」。
また、デジタル機器を長時間見ている人は定期的な自己チェックも怠らないようにしたいものです。
左右の目を片目ずつチェックして見え方がおかしい場合(見えづらい、かすんだり歪んだりして見えるなど)は眼科を受診します。
頭痛や肩こりがひどく、内科や整形外科で異常が見つからないときはドライアイの可能性が高いので、一度眼科を受診するとよいでしょう。
〔解説してくださった方〕平松 類(ひらまつ・るい)先生二本松眼科病院 副院長。医学博士・眼科専門医・昭和大学兼任講師。専門は緑内障、網膜硝子体、白内障。指導する目の予防法や緩和法は実践しやすいと定評があり、YouTube「眼科医平松類」でも有益な情報を発信中。主な著書に『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる!ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)がある。 取材・文/渡辺千鶴 イラスト/にれいさちこ
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。