若菜さんが“森初心者”におすすめする
新緑と野の花に出会える森歩き5ルート
初夏の玉原高原を彩る可憐な野の花たち。右から、ガクウラジロヨウラク、コバイケイソウ、ノビネチドリ、ハクサンタイゲキ(オゼヌマタイゲキ)。登山やトレッキングをしたことのない人にとっては、なかなかきっかけがなく、森歩きに足を踏み出せないもの。そこで若菜晃子さんに、森初心者のために、トイレや駐車場、地図などが用意され、2時間程度で周遊できる5つのコースを推薦いただきました。
※お出かけの際は最新情報をご確認ください。
おすすめルート 1
玉原高原(群馬県)
一番におすすめしてくれたのは、群馬県の玉原高原。4月下旬から5月上旬の芽吹きの時期には湿原に群生するミズバショウの花に出会えます。車止めから湿原までは徒歩約10分、木道も整備されています。湿原の先には関東最大規模のブナの原生林が広がります。「初めて森に入る人には、入り口と出口がはっきりした自然園のような場所をおすすめします。不測の事態に備えて雨具や水を用意し、一人では決して行かないこと。できれば経験者と行くと安心です。2時間程度の歩行ならスニーカーでも大丈夫ですが、靴底のしっかりとしたトレッキングシューズがおすすめ。ただし、事前に履き慣らしておくことが大切です」と若菜さん。
今年の新緑の季節、森の中へ“はじめの一歩”を踏み出してみませんか。
玉原高原(群馬県)
コースタイム:約1時間30分※イラスト地図内、茶色の実線は一般的におすすめの「メインルート」、破線は時間と余裕があれば歩きたい「サブルート」を表しています。東京から近く、手軽にブナの原生林の中を散策できる。ミズバショウの咲く湿原を抜けてブナの森に入れば灰白色の幹に淡い黄緑の若葉が素晴らしく、芽吹きの頃なら金茶色の芽鱗が頭上から雨のように降ってくる。ただしこの頃は雪が残る年もあるので足もとはしっかりとした靴で。新緑が濃くなる5月下旬以降も森歩きが楽しめる。
沼田市観光協会 TEL:0278-25-8555
ブナの巨木が林立する玉原高原のブナ平は標高約1300メートル。春には新緑、秋には紅葉が楽しめる。玉原湿原はその植生の珍しさから尾瀬になぞらえて「小尾瀬」とも呼ばれる。木道の脇に咲くのはヒオウギアヤメ。