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広尾に誕生した、街に開かれた祈りの殿堂「南麻布 了聞(りょうもん)」

2021.04.28

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全室完全個室の都市型納骨堂

各国大使館に囲まれた都心の一等地・広尾に、この春、誕生した「了聞(りょうもん)」は宗教や宗派を問わず、あらゆる人に開かれた全室完全個室の都市型納骨堂。時代を超えて受け継がれる祈りの殿堂は、いかにして生まれたのか――。「了聞」の設立に携わったかたの想いを通してご紹介します。

「ここは都心の一等地にあって、自分と向き合える特別な場所」
――建築家・竹原義二


広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)すべては無に始まり有に還る「無有(むう)」をコンセプトに建造物をつくり続ける建築家・竹原義二さん。1階ロビーにも、全国から集められた選りすぐりの素材と、伝統工芸の技術が生かされている。

広尾から西麻布方面に向けて外苑西通りを歩いていると、都市の喧騒に混じり、涼しげなせせらぎの音が聞こえてきます。その音の源は、「了聞」の玄関口を飾る石造りの滝。建築を手がけた竹原義二さんが、かつてこの場所にあったという池を現代的に甦らせたものです。竹原さんいわく「これからの納骨堂は、地域に開かれた存在であるべきです。街の記憶ともつながる水場を入り口に再現したのも、そんな想いからです」。


広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)タイルのグラデーションが美しい「了聞」の外観。まるで大地に根を下ろした大樹のよう。エントランスではドアマンが迎えてくれる。

水の音に誘われるように館内に入ると、そこは美術館を思わせる洗練された大空間。随所に天然素材を用いた職人の手業が光り、“本物の追求”がなされていることに目を奪われます。

例えば1階ロビーでは、研磨・加工で表情をつけた重さ5トンもの玄武岩を受付カウンターに配し、“花崗岩のダイヤモンド”と称される貴重な庵治石を惜しみなく用いて壁をつくる等々。都市型納骨堂「了聞」のコンセプトは、宗教や宗派を超えて多様な価値観に寄り添う場所であること。その想いがデザインで具現化されているのです。

「この空間に宿る多様性は、我々が生きる世界とも共通します。そうした場所で、訪れた人それぞれが故人を想うと同時に、自分の心と向き合っていただければ」と竹原さんは語ります。

広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)6階にある「天満月」は、33平方メートルもの広さを備えた個室型の参拝室。香川県庵治地方でのみ採取される庵治石と750キロもの玄武岩を用いた室内は、重厚な印象。

故人への想いに向き合う祈りの空間を求めて


地下1階・地上7階建ての「了聞」には、訪れた人を魅了する場所が数々あります。なかでも圧巻なのが、最上階の本堂。阿弥陀如来が鎮座する檜造りのこの場所では、「了聞」の福井威人上人が毎朝お勤めを行っています。

「どなたでも気軽に立ち寄ってもらえる場にしたい」
――僧侶・福井威人


広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)本堂では、追善供養や僧侶らによる法要なども行われる。

「『了聞』を訪れたかたは、どなたでも本堂にお入りいただけます。例えば、朝、お経を聞いて気持ちを整えてから仕事に向かうというのもよいですね。納骨堂と聞くと、人が亡くなった後にご縁を結ぶ場所という印象がありますが、それだけではなく、生きているかたにもっと役立つ場所でありたいのです」と福井上人。

「人は彼岸に旅立った後も遺した家族や縁者が明るく過ごせることを願っています。お経に耳を傾けながら故人を想うことで、いつしかあちらの世界から功徳が回し向けられ、心豊かな未来につながるはずです」。

今年3月上旬、開苑記念に開催されたイベント「千本桜の通り抜け」も、福井上人がいう“ご縁を結ぶ”との想いから生まれたもの。

「お花を見て心が美しくなる。その心を仏様に捧げる」
――花人・赤井 勝


広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)館内には、訪れた人に心地よい開放感をもたらす吹き抜けも。

プロデュースした花人・赤井 勝さんは「最初は近隣のかた限定の催事を考えていましたが、コロナ禍で気持ちがふさぎがちな今は、多くのかたに一足早く春を感じていただくことが大切だろうと。同時に、密を回避するために、桜で彩った館内を通り抜けにするのがよいと思い立ちました」と企画の意図を語ります。

広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)陽光桜や彼岸桜などの桜が一足早い春を届けた「千本桜の通り抜け」。開催期間中には感染予防対策を行いながら、各国の大使夫人も来訪し、その美しさに酔いしれた。

自らの花いけを「装花」と呼ぶ赤井さん。世界的に評価されるその芸術的な装花は、今後もエントランスや各参拝室を彩り、宗教・宗派を問わない「了聞」らしさを印象づけます。

多様なデザインと洗練の花、そして荘厳な本殿を備えた「了聞」で、安息の時間を体感してみませんか。

全室完全個室の都市型納骨堂 4つのおもてなし


いつ訪れても居心地のよい場所であるために、さまざまな創意工夫が凝らされています。

【南麻布 了聞】のご案内

「了聞」の開館時間は8時~21時と、お参りしやすい時間設定となっています。(※緊急事態宣言発令期間中は開館時間を8時~20時に短縮。詳しくは公式ホームページをご確認ください)

また、回忌法要をはじめ、御斎やカルチャースクールなどにも利用できる客殿(和室、洋室)も完備。隣接するミシュランガイド常連の日本料理店「分とく山」での食事や、特製仕出し弁当の手配も可能です。
広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)日本料理「分とく山」とも連携。

現在、第1期申込受付中(限定200基)※なくなり次第終了
永代使用料190万円~、年間護持会費2万円~(ともに非課税)

広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)広尾に誕生した都市型納骨堂 了聞(りょうもん)ご遺骨は骨壺や骨袋、厨子に納められ、参拝室へと運ばれる。

南麻布 了聞

東京都港区南麻布5-1-4
フリーダイヤル 0120-149-208(予約受付9時~18時)
参拝時間/8時~21時
※緊急事態宣言発令期間中は開館時間を8時~20時に短縮。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
東京メトロ日比谷線「広尾」駅4番出口より徒歩約3分
定休日なし(メンテナンスのため年数回の休館日あり)
URL:ryomon.jp
撮影/本誌・西山 航 取材・文/冨部志保子
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