エントランスラウンジ。窓が多く、天窓からもトップライトで南トスカーナの穏やかな陽光が差し込む。農園のなかに生まれたラグジュアリーなリゾート
ローマから車でおよそ3時間、フィレンツェからは2時間あまりと、決して短くはない時間ですが、「ランダーナ・リゾート」の1kmにもわたる糸杉と笠松の並木道は見事です。これこそまさにパラダイスへのアプローチ。白いまっすぐな道をゆっくり進むと右手にマレンマ牛がのんびりと草を食む光景が見え、やがて眼前に「ランダーナ・リゾート」の本館が現れます。
ランダーナ・リゾートを中心とするバディオーラ農園は2000年から5年の歳月をかけて改装され、かつてのレオポルド2世の屋敷は、34室の瀟洒なヴィッラホテルとして生まれ変わりました。建物はオリジナルの趣を保ちつつ機能性を高め、オーナー一家が建築家と共同で内装を手がけました。暖かみのある色をベースに、イタリアの田園で愛されてきた伝統の家具がゆったりと配置されています。
客室の内装はすべて異なり、テーマとなる色、置かれている家具もさまざま。クラシックなタイプ、ややモダンなタイプなど泊まる度に違った雰囲気を味わえるのが楽しいというリピーターも。2009年には、農家を改装した別館もオープンし、さらに客室バリエーションが増えました。
エントランスラウンジから続くライブラリー。プライベートな田園の別荘といった趣のインテリアが心地よい。本館客室の一例。クラシックとヨーロピアンモダンの雰囲気が絶妙のバランスで空間を彩っている。