365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
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ゲストの一覧 【お悩み】個性の生かし方がわかりません
好きなメイクが似合わなくなってきました。
【回答】「山本式 顔タイプ診断」で個性を掴み、あえて反対の要素をひとさじ加えて
回答者/近藤須雅子さん(美容ジャーナリスト)
“自分の個性を生かすメイク”って、言うはやすしですが、真剣に考えるとむずかしいですね。
女らしい顔立ちの人は、きりっとシャープなメイクが好きでも、個性を生かすには好きじゃないフェミニンなメイクをすべき?てきぱきシャキッとした性格の人はみんな甘さを控えたクールなメイクをすべき?なんて、なんだか割り切れませんよね。
そこで、個性をナチュラルに引き出すメイクで右に出る人のいないメイクアップ・アーティスト山本浩未さんに、アドバイスを求めました。
顔立ちの個性は大きく4タイプ「お仕事でたくさんの方の顔を拝見して気づいたのですが、大人の女性の顔立ちは大きく4つのタイプに分けられるんですね。まず、年齢の現れ方で、ゴツゴツ骨張っていくタイプと、ふっくらたるんでいくタイプの2タイプに分かれるでしょう。私は宝塚ファンなので、ゴツゴツタイプは『若い頃は男役が似合っただろうなあ』、ということで“ヅカ”、ふっくらたるみタイプは“姫”と呼んでいます(笑)」
この“ヅカ”か、“姫”かを横軸にします。縦軸は、顔立ちの印象がデコラティブかシンプルか。
「目鼻立ちが大きく派手な顔立ちを“デコラティブ”、小ぶりで地味なタイプの方を“シンプル”と呼ぶことにします。それで、この“デコラ”と“シンプル”の2タイプをさっきの“ヅカ”と“姫”と掛け合わせると、4つのタイプに分かれます」
早速、私も自己診断。たるみが目立つけれど面長で丸みがないので“ヅカ”、奥二重で純和風の地味な目鼻立ちなので“シンプル”、つまり“シンプルヅカ”と判定しました。山本さんからも「シンプルヅカね」と、お墨付きをいただきました。
判定のコツは趣味や好みを入れず、造作の状態だけで決めること。大人しく控えめな方でも顔立ちが華やかなら“デコラティブ”です。
大人ならではの「圧」を和らげてさて、ここからが山本さんのメイク理論のユニークなところ。“ヅカ”だからシャープに、地味な顔立ちだから華やかさを足して、ではないのです。
「一般的に、年齢を重ねるとともに個性は磨かれ、デコラティブなタイプの方は若い頃よりさらにデコラティブに、姫タイプの方はさらに優しく女らしくなっているんですね。つまり、より個性が際立っています。
その個性をさらに強調するとトゥーマッチになりすぎることがありますね。すごい美女とか飛び抜けてセンスのいい女優さんでないと、強烈な個性を御すのはむずかしい」
大人の女性が「圧が強い」と言われるのは、そのせい。典型的なデコラヅカの夏木マリさんは華やかでシャープなヘアメイクで個性をさらに強調されていますが、「これは夏木マリさんだからできること」と山本さん。納得です。
自分とは正反対の要素をぴりっと山本さんおすすめの個性を生かす方法は、自分と正反対のタイプの要素を、ほんの少し取り入れること。たとえば私のような“シンプルヅカ”は、“デコラ姫”の女らしく華やかな要素を赤リップや巻き髪などでぴりっと効かせます。
・それぞれのタイプの要素
シンプルヅカ…シンプルでシャープな要素
デコラヅカ…華やかでシャープな要素
デコラ姫…華やかで女性らしい要素
シンプル姫…シンプルで女性らしい要素
「スイカに塩をほんの少しかけると、甘さが引き立つのと同じ。かけすぎると台無しですが、ちょうどいい塩梅でかけると個性が際立ちぐっとあか抜けるんです」
ご相談者の『好きなメイクが似合わない』というのは、多分、ご自身の個性と正反対のメイクのことではないかと思います。若い時は勢いでこなせたのが年齢とともに似合わなくなったというのは、それだけご自身の個性が際立ってきたということ。
これからは正反対のタイプの要素は分量を控えめにして、ぴりっと効かせる工夫をされてはいかがでしょう。きっと、以前とは違う大人の洗練された美しさが際立つと思います。
近藤須雅子さん
美容ジャーナリスト。京都生まれ。女性誌・美容誌をはじめ、多数の媒体で美容記事に携わり、35年以上にわたり最前線で活躍。趣味は着物、美術鑑賞など。
イラスト/umao
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