林真理子さんの小説『最高のオバハン 中島ハルコ』シリーズを元に、東村アキコさんが漫画化。小説・漫画ともに大人気となったあの物語が、この4月からドラマ化されています。 “女性たちの救世主”として大活躍する主人公・中島ハルコ役に、女優・大地真央さんを迎え、毎週土曜日に賑やかなストーリーを展開。さまざまなファッションで登場する大地さんが身につけているジュエリーをキーワードに、話題のドラマを前編・後編2回にわたって深く掘り下げます。
© 東海テレビ女性の本音を鋭く描く作家・林真理子さんが生み出したスーパーレディ、それが中島ハルコ。筋金入りの名古屋のお嬢様として育ったハルコは、ビジネスセンスとマネーセンスが抜群のオバハンなのです。バブル時代に青春を送り、結婚も離婚も経験した彼女は、まさに人生の達人。一流企業の経営者や政財界の人々が一目置く……いや、むしろ彼らを牛耳るほどの影響力を持っています。
そして彼女のもとにはなぜかいつも“女性のふかーい悩み”が持ち込まれます。仕事、子育て、不倫に女同士の争い……。それを鋭い洞察力でズバッと一刀両断。小説でも漫画でも、そしてこのドラマでも、ハルコのストレートで真実をついた言葉は、観る者の心にズンと響きます。
今回ハルコを演じるのは、大地真央さん。その美しい容姿、エレガントに衣装を着こなすセンス、そして世の中の“悩み”にズバッと物言う痛快な姿! 惚れ惚れするほど格好いい大地さんがこのドラマの中で身につけているのが、フランスの老舗ジュエラー「ショーメ」のジュエリーです。第1話では、まさに大地さんのためにあるような見事なハイジュエリーをまとい、視聴者をくぎ付けにしました。
© 東海テレビショーメはジュエラーの聖地ともいわれるパリのヴァンドーム広場に拠点を構えた、最初のジュエラー。創業者のマリ=エティエンヌ・ニトがメゾン(当時はまだショーメという名前ではありませんでした)をスタートさせたのは1780年、ナポレオン1世の時代でした。その戴冠式において、皇帝ナポレオン1世の剣と、教皇ピウス7世のティアラを制作したマリ=エティエンヌ・ニトは、その後、皇后ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとなったのです。
©ナポレオン財団所蔵当時の宝飾品は権勢の象徴であり、そして今と変わらず美と憧れの頂点でもありました。洗練されたセンス、ファッションへの高い関心、自然を愛し、自由を愛した女性、ジョゼフィーヌがまとうジュエリーは、宮廷にとどまらずフランス全土の、いやヨーロッパ中の注目の的でもありました。その最先端でジュエリーを作り続けてきたのがショーメだったのです。
©フォンテーヌブロー宮殿所蔵ひとつ、皇后ジョゼフィーヌが愛したといわれるティアラをご紹介しましょう。1811年前後に制作されたこのティアラは、風に波打つような麦の穂がデザインされています。驚くほどにモダンでタイムレス、一瞬の景色を見事に宝飾品へと昇華させた、まさにショーメを代表するユニークピースです。麦の穂は繁栄の象徴として、ナポレオンが選んだ帝室のエンブレムのひとつ。ジョゼフィーヌが皇后として初めて公式の儀式に登場したときも、ショーメがクリエートした麦穂モチーフのティアラを着用しました。
©パリ ショーメコレクションジョゼフィーヌの時代から240年余。積み上げてきた職人技、変わることのないクリエーションへの情熱が、ショーメには脈々と受け継がれています。またジョゼフィーヌが愛したモチーフも、今の時代のジュエリーへと継承されているのです。
『最高のオバハン 中島ハルコ』では、主人公が“現代のショーメ”のジュエリーを多く身につけているのも、大きな見どころといえるでしょう。時代も環境も違えど、自分の足で歩んでいこうとする女性、ジョゼフィーヌと中島ハルコ。そして彼女たちの人生を輝かせるショーメのジュエリー。
記事後編では、実際に中島ハルコがドラマでまとっているジュエリーをご紹介します。お楽しみに。
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〈後編〉人生の思い出が詰まったジュエリーは、私たちをいつも鼓舞してきた>>