舞台『天保十二年のシェイクスピア』(2020年 作/井上ひさし 演出/藤田俊太郎)では、第45回菊田一夫演劇賞を受賞した。「今回タイトルを最初に聞いたとき、シェイクスピアづいてるなと思いました」テレビドラマに映画、舞台と大活躍の高橋一生さんが、5月に幕を開ける野田秀樹さんの新作舞台、その名も『フェイクスピア』に出演します。野田作品への出演は今回が初めてとなる一生さん。現在の心境などを伺いました。
――2004年のNHK大河ドラマ『新選組!』での共演が、野田さんとの出会いだったそうですね。その後、野田さんのワークショップに参加なさったとか?「はい、NODA・MAPのワークショップに参加させていただきました。覚えているのは、参加者全員で鬼ごっこをやったこと。鬼にタッチされたら抜けていくというルールで、最初は大勢いたのにどんどん人が減っていって、最後は野田さんと僕だけ残って競り合ったのを覚えています」
――さすが、身体能力の高い一生さんです。「体を動かしているうちに楽しくなって、躍起になったんだと思います(笑)。それから10年以上経って、今回『フェイクスピア』に声をかけていただいて、自分としてはちょっとびっくりしましたけれども、とても光栄なことだなと思っています」
――野田さん側から何度かオファーはしていたものの、タイミングが合わなかったそうですよ。『フェイクスピア』のカンパニーの印象はいかがですか?「稽古が始まったばかりなので、まだよくわからないです。僕ら俳優は、新しい作品に参加するたびに“クラス替え”があるようなもの。どんなクラスになっていくんでしょう。素敵なことに、稽古初日の顔合わせの後、野田さんが途中まで書かれた台本を自ら読み上げてくださったんです。とてつもなく贅沢な時間でした」