溢れる陽光と吹き渡る風が凝縮した香りと味わいを生む
ペトラがあるスヴェレートが、「ワインの地」と呼ばれる理由の一つが、土。ペトラの葡萄畑は、石灰に富んだ石が混ざった乾いた土壌、鉄やマンガンを多く含んだ土壌、きめ細かな泥土、これらの性格の異なる3つの土が混在しており、それぞれが葡萄に特徴的な性格をもたらし、ワインとなった時の複雑味として表れます。
もう一つの理由が、地形。ペトラは大きく開けた、なだらかな丘陵地帯にあり、常に太陽光が降り注ぐ恵まれた環境にあります。葡萄畑が丘に沿って波打つように続く先にあるティレニア海が太陽光を反射し、葡萄の実を豊かに成長させます。さらに、ミネラル分を含んだ海からの風は地味を豊かにし、養分となって葡萄に取り込まれ、葡萄の健康を保つ役割を果たしているのです。
トスカーナには、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノやスーパータスカンと呼ばれるボルゲリ産のワインなど、様々な銘醸ワインがありますが、ペトラのワインは、凝縮感としっかりとした骨格のあるフルボディで、そこにティレニア海からの涼風によってもたらされた華やかさとミネラル感が加わった類まれな美酒なのです。
圧搾した葡萄を発酵させるタンク。左/エノロゴ(醸造家)は定期的にサンプルを採取して熟成具合を確認し、ワインの最終的な完成形に向けて調整する。 右/熟成中のワインが入っているオーク樽。畑の名前、最終的なワイン名などがチョークで書かれている。