左/深みのあるルビー色が美しいトップキュヴェの「ペトラ」。香りは熟したベリー、ローズマリーやミントなどのハーブ香、シナモンや胡椒といったスパイス香など重層的で、味わいも余韻が長い 右/試飲ルームにて。キャラクターの異なる3種「ペトラ」「ポテンティ」「エボ」を試す。トスカーナ伝統の食とのマリアージュを楽しむ
フランスのボルドーにも似た土壌を持つというペトラで育てられている品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、そしてトスカーナでもっとも多く普及しているサンジョヴェーゼ。中でも、ペトラらしさを表現するトップキュヴェである「ペトラ」はカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのみが使われており、凝縮した果実味とスパイシーな香りは、南トスカーナの自然の力強さを思わせます。また、サンジョヴェーゼ100%の「アルト」は、繊細さが勝つ内陸部のサンジョヴェーゼとは違い、重層的な味わいとビロードのようなタンニンが印象的。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、サンジョヴェーゼを合わせた「エボ」はフルーティでエレガント、バランスのとれたタンニンで、フランスとイタリアそれぞれの魅力を掛け合わせたかのよう。
昨今は、メディテーションワインと呼ばれる、ワインだけをじっくりと味わうというスタイルも増えてきましたが、ワインは本来、食事とともに味わうお酒。フルボディタイプが中心のペトラのワインは、メディテーションワインとしても楽しめますが、食とのマリアージュでその美味しさが一段と際立ちます。例えば、ペコリーノチーズやトスカーナ風サラミ、アーティチョークのマリネ、鶏レバーペーストをパンに塗ったクロスティーノ・トスカーノなど、旨みの強いトスカーナ伝統の食はペトラのワインとの相性抜群。シンプルで上質な食材がワインとのひとときを格別なものにしてくれるのです。
ペコリーノチーズや生ハム、サラミ、野菜のオイル漬け、鶏レバーペーストなど、トスカーナ伝統のしっかりとした味のおつまみがよく合う。 Petra住所:Località San Lorenzo Alto, 131 Suvereto (Livorno), Italia
TEL:+39-0565-845308
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http://www.petrawine.it/ そして日本でも……「フランチャコルタ イタリアアワード」開催
4回連載でお届けしてきた「イタリア極上の休日紀行」。第1回でご紹介したワイナリー「ベラヴィスタ」のオーナーであり、フランチャコルタ協会会長でもあるヴィットリオ・モレッティ氏が、去る11月に緊急来日。思いがけず、日本での再会を果たすこととなりました。来日の目的、それはフランチャコルタにとって充実した一年であった2017年を締めくくる、DOC(統制原産地呼称)認定を受けてから50周年を記念した「フランチャコルタ イタリアアワード」に出席するためでした。
Vol.1 ~北イタリア、フランチャコルタの里へフレッシュな果実のように、熟成していくワインのように、フランチャコルタの価値を人生で表現している方々に贈られた第1回「フランチャコルタ イタリアアワード」。イタリア大使館で開催されたレセプションパーティは、食の楽しみや人生を謳歌する喜びを分かちあう、華やかな一夜となりました。
第1回フランチャコルタ イタリアアワードが贈られた、女優の鈴木保奈美さん、俳優の中川晃教さん、京都吉兆嵐山本店 徳岡邦夫さんを囲んで。中川さんの左がフランチャコルタ協会会長 ヴィットリオ・モレッティ氏、右端が駐日イタリア大使 ジョルジョ・スタラーチェ氏。
パーティ会場では、イタリアンレストラン「イル ギオットーネ」笹島保弘氏によるフランチャコルタに合わせた料理がゲストをもてなしました。
フランチャコルタの情報は、下記のウェブサイトからご覧いただけます
URL:
http://www.franciacorta.net/ja/撮影/池田匡克 取材・文/池田愛美