【スキンケア】
内側から血色感が透けるような澄んだ素肌に
シミやくすみが気になる成熟世代がバラ色の素肌を手に入れるために取り入れたいのが、最新の美白ケア。健康的なバラ色の輝きをたたえた透明感のある肌を「ヘルシー ロージー グロウ肌」と定義づけたシャネルにその研究ストーリーを取材。バラ色の輝きを放つ肌のメカニズムと効果的なアプローチを伺いました。
現代女性が求めるのは、白肌ではなく、生き生きとした血色感のある肌に変化しています
シャネルが注目したのは今の時代を生きる女性の美の価値観。
「美しいと感じる肌は生き方やライフスタイルによって変わるもの。最近は単に白い肌よりも、より健康的な肌、活力があり、生き生きとした内面を表現できる肌が求められていると考えます」と、シャネル R&I研究所所長 安藤信裕さんはいいます。
その生き生き感をもたらす源が血色感。そしてその赤みが透けて見えるには、シミやくすみといった肌表面のノイズが少ないことが条件になります。
「実際に、色素沈着が少ない肌にはピンクの輝き=血色感が見られます」と安藤さん。
これは京都大学が推進する「ながはまコホート研究」(滋賀県長浜市の健康な住民1万人を対象に、遺伝的要因、環境的要因および生活習慣が健康に及ぼす影響を長期的に観察するプロジェクト)とシャネルの共同研究から得られたデータです。
「シャネルが研究に参画した目的の一つが、個体(体全体)としての健康が肌にどのように反映するのかを明らかにすることでした。その結果たどり着いたのは“健康な肌は健康な体に宿る”という極めてシンプルな考え。体が健康だからこそ、肌にあたった光が内側から反射して輝きと透明感が生まれる。肌奥の微小循環(血液の流れ)が透けて見えるのです」
バラ色の透明感は健康的な巡りから生まれる
研究でさらに得られた知見が、肌とアミノ酸代謝の関係です。
「アミノ酸代謝とは全身のあらゆる細胞で起こっている、生命を維持するための基本的な仕組みで、それは皮膚においても変わりません。老化が進むと体の中の代謝が衰えてきますが、皮膚の細胞のアミノ酸代謝を保つことで、生き生きと輝く肌を維持できる可能性があります」と語るのは、ながはまコホート研究を率いる京都大学の松田文彦教授。
アミノ酸代謝の促進により肌細胞のエネルギーを補強し、潤い保持力を高めることで、ヘルシー ロージー グロウ肌への有効なアプローチとなるのです。
単なる白肌を追求するスタンスから、生命感に満ちたバラ色の透明感を手に入れる高次元の“顔色ケア”へ。美白化粧品は女性の願いに応えるべく進化しています。
〔お話を伺った方〕
京都大学大学院医学研究科附属 ゲノム医学センター センター長
松田文彦教授
シャネル R&I 常務取締役・研究所所長
安藤信裕さん
〔特集〕スキンケアとメイクで明るく、心地よく「もう一度、バラ色の美肌に」(全7回)
撮影/富田眞光〈vale.〉(人物)、渡邉宏基(静物) スタイリング/松田綾子〈オフィス・ドゥーエ〉(人物)、細田宏美(静物) ヘア&メイク/黒田啓蔵〈Iris〉 モデル/松田珠希 取材・文/佐藤由喜美
『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。