45.52カラットもの巨大なファンシーブルーの“ホープ・ダイヤモンド”。ハリー・ウィンストンが手掛けた歴史上名高いダイヤモンドの中でも、特に数々の逸話をもつ伝説の宝石です。1600年代中期にインドのコルール鉱山で発見されたこのブルー・ダイヤモンドは、ルイ16世やマリー・アントワネットなど数多くの歴史上の人物が所有してきたとされています。ハリー・ウィンストンの手に渡ったのは、1949年のこと。そして1958年、ハリー・ウィンストンは全世界への贈り物としてこのホープ・ダイヤモンドをワシントンDCのスミソニアン博物館に寄贈したのです。
かつて所有者の多くがドラマティックな人生をたどったことから、不吉な宝石と噂されたこともある“ホープ・ダイヤモンド”ですが、ハリー・ウィンストン、そして現在の所有者であるアメリカ合衆国の隆盛を見る限り、噂は噂に過ぎないようです。2010年にはハリー・ウィンストンの歴史的寄贈から50年が経過したことを記念して新たなセッティング「エンブレーシング・ホープ(希望を抱いて)」が披露され、約1年間展示されました。340個ものバゲット・ダイヤモンドを埋め込んだ彫刻のようなリボンが“ホープ・ダイヤモンド”を包み込むようなデザインです。