杉野さんの理想とする俳優像は? 「特に持たないようにしています。自分は自分だと思っているので、自分らしくありたいです」――そんな杉野さんが、演じることの楽しさを感じるようになったのはいつ頃ですか?「そこが絶対的なターニングポイントというわけではないんですけれども、去年の後半に撮影した『教場Ⅱ』(フジテレビ系で2021年1月に放送)は、プロとして納得がいくところまでやる楽しさを学んだドラマでした。その後に『直ちゃんは小学三年生』(テレビ東京1月~2月)と『東京怪奇酒』(同2月~3月)という作品で、2本続けて連続ドラマに主演させていただいたんです。また全然違う雰囲気の作品ではあったんですが、『教場Ⅱ』を経験したうえで挑戦できたことが、すごく大きかったです。座組の空気感も含めて、自分が担う部分が必然的に大きくなった現場で、よりものづくりの楽しさを味わえたというか。だから、本当に最近なんです」
――そこへ来て今回の初舞台。非常にいい流れではないでしょうか。「そうですね。僕が何でも聞けるように、フィリップさんが“私の時間は、あなたの時間です(My time is your time.)”と言ってくださったのが、すごく嬉しくて。初めてのことにぶつかっていく怖さはありますが、物おじせずに本来の自分で向かっていけたらなと思います。こういう気持ちでいろいろなことに挑戦していけたら、自分自身も強くなっていくような気がしています。目の前のことはもちろん、自分と向き合う時間からも逃げないようにして、頑張りたいです。こんな時期ではありますけれども、今だからこそ感じることも多いと思います。ぜひ『夜への長い旅路』を楽しんでいただけたら嬉しいです」
杉野遥亮/Yosuke Sugino
俳優
1995年、千葉県出身。2015年に第12回FINEBOYS専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。2017年公開の映画『キセキ-あの日のソビト-』で俳優デビュー。テレビドラマ、映画、CMなど幅広く活躍。出演映画『東京リベンジャーズ』が2021年7月9日より公開予定。
撮影/Tadayuki MinamotoCOCOON PRODUCTION 2021
DISCOVER WORLD THEATRE vol.10
『夜への長い旅路』
2021年6月7日~7月4日/Bunkamuraシアターコクーン S席/1万1500円 A席/9500円 コクーンシート/5500円 お問い合わせ/Bunkamura 電話03-3477-3244
7月9日~18日/京都劇場
作/ユージン・オニール 翻訳・台本/木内宏昌 演出/フィリップ・ブリーン 美術・衣装/マックス・ジョーンズ
出演/大竹しのぶ、大倉忠義、杉野遥亮、池田成志 ほか
https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/21_yoru/