「私は子どもの頃から、翡翠、琥珀、コーラルの夢を見たり、ラピスラズリ、ホークアイ、べっ甲といったエキゾチックな名前はどこからきたのだろうと考えてみたり、アベンチュリンやムーンストーンを探しに行くことを思い描いたりしていました。カラーストーンの本当の美しさを知れば、私のように誰もがその虜になってしまうのです」と語ったフレッド・サミュエル。彼のカラーストーンに対する情熱は、ネパールの王族から宮廷で着るサリーに合うジュエリーを依頼されたことがきっかけだったと言われます。稀少なカラーダイヤモンドからルビー、サファイア、エメラルドといった貴石、そして半貴石まで、さまざまなカラーストーンは、彼のクリエーションにとって欠かすことのできない存在でした。
ブランドの創業75周年を記念して2011年に誕生した“パン ドゥ スークル”は、そんなフレッド・サミュエルがこよなく愛した南仏リヴィエラの太陽や海にあふれる色の世界を表現して生まれたコレクションです。立体的なふくらみのある独自のシュガーローフカボションカットが、それぞれの天然石の色と透明感を最大限に際立たせます。ボリュームと存在感がありながら軽やかで若々しい印象は、コンテンポラリーなデザインを得意とするフレッドならではの魅力と言えるでしょう。