ジャンルは違えど同じ表現者。柳楽さんのモチベーションは……
北斎を「努力の人」という柳楽さん。また、「うらやましい」とも言います。
「コロナ禍で映画の公開が延期になってしまったり、以前に比べて難しいことが増えたと思うんです。時代は違っても今の状況と似ているのかなと。難しい時代の中でも諦めずに辛抱強く、絵を描くことだけを続けたというのは、すごいモチベーションですよね。世界的に有名なアーティストで、右肩上がりのサクセスストーリーに見えますが、成功するまでにはものすごい葛藤があったんです。それでも諦めることなく、やりたいことを一生続けられたことが、うらやましいです」
劇中、北斎は絵や本の版元・蔦屋重三郎(阿部 寛)から、なぜ絵を描いているのかと問われます。ジャンルは違えど、同じ“表現者”である柳楽さんに演じることに対して、何がモチベーションになっているのかを聞いてみると、「10代でいろいろな映画祭に参加させていただいて、賞をいただいたので、それを超えたいという思いが強くて。自分の過去が常に意識の中にあるからこそ、それをモチベーションに頑張っています。もう一度くらい、代表作といえる作品に出会えたらいいなと思っているんです」という答えが。では、代表作に出会えたそのあとは……?
北斎が“波”に出会うシーンでは、「苦悩や葛藤があったからこそ、自分らしさを見つけられたのではないかと考えながら演じました」