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テラスで暖炉を囲む「ナイトリビング」。心からリラックスできる豊かな豪邸ライフを

2021.05.28

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屋外リビングのある暮らし 魅惑の「豪邸」拝見 第4回(全17回) 上質なアウトドア家具の普及や設備の進化、内外をひと続きにするプランの革新などにより、気持ちいいオープンエアに生活空間を広げる住まいが世界的な潮流として増えてきています。家族団らんの場として、密にならない応接間として……心からリラックスできる豊かな豪邸ライフを訪ねます。前回の記事はこちら>>

ナイトリビング・テラスで火を囲む贅


――O邸 (兵庫・芦屋)

ナイトリビング テラスで火を囲む贅

大きなリビングを囲むテラス。バイオエタノール暖炉に炎がともると、自然に人が集まり、室内の灯りに照らされるナイトリビングでゲストと話が弾む。

「ダブルリビング」で大空間の役割を明確に


視線が抜ける大きなリビングーそれが住み手のOさんの夢でした。「グレージュのシックなイメージを貫いたことが成功につながりました」。敷地面積は約620平方メートル。そのうちリビングは約100平方メートルもある大空間です。

建築家の大江一夫さんは「この建築は上質な箱。単調になることを避けるため家具や素材で空間の役割を明確にしました」と話します。家全体を包むのは石。大江さんは世界の名石が集まる中国の市場に、自ら出向いてこの家のための素材を品定めしました。

テーマは「ダブルリビング」。入ってすぐのリビングは、ゲストを迎えるフォーマルリビング。奥さま愛用のグランドピアノを中心に据え、窓の高さを抑えて座ったときの目線で景色が見える空間に。ソファも上質な革張りで、おもてなしの心を表します。

キッチンに近いゾーンはファブリック張りのカジュアルなソファで過ごす、プライベートリビングです。2つのリビングの間には天然石と革のダイニングセット。テラスは室内空間をぐるりと囲むように配されています。

ナイトリビング テラスで火を囲む贅

〔フォーマルリビングとつなげれば、コンサートができる大空間〕大窓からの自然光とトップライトから落ちる光に囲まれた、明るいダブルリビング。必要に応じて大空間を仕切れるようにスモークガラスとブラックフレームの間仕切りドアを設けた。家具はすべてイタリアのフレックスフォルムでトータルコーディネートしている。

西洋風の明るいリビングと対峙する重心を持つのが、わずか8畳の和室。

ナイトリビング テラスで火を囲む贅

磨き丸太の床柱、なぐり仕上げを施し錫を張った床板や、春慶塗の違い棚、大江さんが描いた掛け軸など、職人とつくり上げた日本の美が濃縮されています。

そして大江流ともいえるのがリビングの天井を走る直線的なトップライト。リビングに落ちる自然光は時や季節の移り変わりを伝えてくれます。

ナイトリビング テラスで火を囲む贅

マニエラ建築設計事務所
神戸、芦屋を中心に活動する設計事務所。大江一夫さん、てるみさん夫婦による息の合ったコンサルティングで建築、インテリア、生活動線をモダンな空間に落とし込む手法に定評がある。
撮影/本誌・西山 航 取材・文/本間美紀 スタイリング協力/山田喜美子
『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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