女性は加齢によって指の変形が出やすい
年齢を重ねると、男女を問わず、誰でも指が太くなります。若いときに買った指輪が入らなくなったという人もいるでしょう。
これは指の関節の軟骨がすり減り、骨に変わっているから。いわゆる変形性関節症の一種です。
「65歳以上になると3人に1人の割合で指の関節の変形が見つかります」と平田先生は説明します。
この変形性指関節症によって、指に痛みが出ることがあります。平田先生によると、痛みが出るのは9対1の割合で女性が多く、両親や祖父母、姉妹に同様の症状が見られるケースもあって、遺伝的な要因が大きいとのことです。
「痛みが出ている場合には指関節の中で炎症物質が増えています」。とはいえ、実際に治療が必要なのは痛みがある人のうちの2割程度といわれています。
「残りの8割の患者さんは軽い運動を続けているとだんだんよくなります」(運動の方法は6/9公開予定の記事にて詳しくご紹介)。
腱鞘炎も女性に起こりやすい病気で、特に妊娠・出産期や更年期に多いのが特徴です。これは腱そのものや、腱を保護し、その動きをなめらかにする腱鞘に炎症が起こったものです(下イラスト参照)。
前腕の筋肉と手の短い筋肉が手や指を動かす原動力となる。筋肉の一部はひも状になり、腱として骨にくっついている。腱鞘は腱を包む管で、中には滑液が詰まっていて、腱の動きをスムーズにしている。手と指には数多くの腱と腱鞘が存在する。変形性指関節症や腱鞘炎は、手や指の使いすぎも原因になります。手や指に変形を起こす代表的な病気である関節リウマチも女性に多い病気です。
指関節の内側、特に関節の袋(関節包)に炎症が起こり、進行すると関節が破壊され、指が変形していきます。
また、関節リウマチによる炎症は膝や背中などほかの部位でも起こるため、痛みや運動の制限で生活に大きな支障が出てしまいます。
痛みやしびれはあまり感じていなくても、指の関節の周辺がむくんで、関節にあるはずのしわが見えなくなっている、あるいはこわばりがある場合は、前述のような関節の変形が始まっているサインです。早めに整形外科を受診するほうがいいでしょう。