北海道「十勝千年の森」の新谷みどりさんに学ぶ 美しき菜園ガーデン 第2回(全10回) 家庭菜園の楽しみは、安全でおいしい野菜を食べられるだけでなく、生長する美しい景色を日々間近で観賞できること。国内外で農業と園芸を学び、独自の視点で菜園づくりに取り組むヘッドガーデナー、新谷みどりさんに毎日見ていて惚れ惚れする菜園のコツを聞きました。
前回の記事はこちら>> 初心者におすすめ。葉物のバラエティ菜園
前の記事の4種の混植(ホウレンソウの仲間、アブラナ科の野菜、ジャガイモ、豆)に比べ、もう少しシンプルで、野菜づくり初心者にも真似しやすそうなのが、下の写真の緑もりもりのベッド。
こちらは作物はすべてレタスですが、やはり美しく見せ、長く楽しむための工夫があります。
ビフォー2020年7月11日のレタスのレイズドベッド。アフター(約20日後)見違えるほどのボリュームだ。個性的なレタスとその合間に植えたマリーゴールド‘レッド・ジェム’がリズムをつくり出す。レタスの収穫後はマリーゴールドが全体を覆い尽くすほど繁ったと新谷さん。予想外のことが起こるのも菜園の楽しみ。まず同じレタスでも、葉の色や形がバラエティに富んだ品種を選んでいること。そして、それぞれの間には、前ページのカレンデュラと同様、根に害虫を寄せつけない効果があるマリーゴールドを植えているのもポイントです。
さらに、各レタスを2列植えにして、1列目のレタスが生長した頃に、2列目に苗を植えるといった具合に時間差をつけると、長く楽しめます。
「このように生長段階を楽しみながら絶え間ない収穫を行う栽培方法を『サクセッション・プランティング』と呼びます」と新谷さん。時間差をつける以外に、1種類の野菜を収穫した跡地に別の野菜を植えたり、2種類以上の野菜を同時に植えつけて育てたりする方法もあるそうです。
レタス3種と花の組み合わせプラン
レイズドベッドのサイズは180×90センチイラストは記事冒頭の写真例(葉物のバラエティ菜園)を参考に、育てやすく葉の色や形に変化があるレタス3種とマリーゴールドを畳1畳分のレイズドベッドに植えつけた例。
マリーゴールド‘レッドジェム’は花も葉も食用で、根に線虫駆除の効果がある。レイズドベッドはDIYでつくることもできるし、もっと小ぶりなものなら通販やホームセンターで入手可能。
おすすめのレタス3種と花は、下のフォトギャラリーでご覧ください。 監修=新谷みどり 撮影=大泉省吾 取材・文=大山直美 イラスト=三好貴子 協力=十勝千年の森 ※この特集で紹介した栽培例は、北海道・十勝地方で実施されたものです。地域や気候により、適する植物や植え付け時期などは異なります。
『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。