ヒガシマル醤油「龍野乃刻(たつののとき)」
兵庫県龍野は「播磨の小京都」と謳われる城下町。風光明媚なこの土地は、淡口醤油発祥の地でもあります。「ヒガシマル醤油」は400年の長きにわたり、伝統の味を守り続けてきました。
その職人技を感じさせるのが、大豆、小麦、米、塩、水と播磨産原料のみで造られる“究極の淡口醤油”「龍野乃刻(たつののとき)」です。透明感のある美しい色合いで、深い味わいが印象的。豊潤な香りとキリリとしたうまみが際立ちます。
その魅力が存分に発揮される料理は、やはりお刺し身。白身は繊細なうまみが、帆立やいかは優しい甘みが引き立てられ、あと味にはまろやかさを感じます。煮物に使えば素材の色が生きてきれいに仕上がるのも、料理好きにはうれしい限り。
ふだんのお刺し身も「龍野乃刻」があるだけでランクアップ。淡泊な白身も、こくのある味わいのまぐろも、優しいまろやかさとシャープなうまみがバランスを取ってくれる。この“特別な味”の秘密は、こだわりの「甘酒二段仕込み製法」にあります。通常、淡口醤油は、熟成後、もろみを搾る前に甘酒を加えて風味づけをしますが、「龍野乃刻」は、もろみが熟成している間と熟成終了後、二段階で甘酒を加えて、深い味わいと芳香を引き出しているのです。
大豆、小麦、米、塩(赤穂)はすべて播磨産。上質な原料だけを厳選している。水は清らかな揖保川の伏流水を使用。鉄分が少ないので、熟成中に色が濃くならず、透明感のある色に仕上がるという。播磨の小麦畑。ピュアな味わいは、この自然の中から生まれる。特別感のある味わいの淡口醤油は、卵かけご飯や冷ややっこなど、ふだんの食事をランクアップさせてくれ、家での楽しい食卓を約束してくれます。
「牛肉のたたき」には、みょうが、紫芽などの薬味と柚子こしょうを添えて。「龍野乃刻」のすっきりとした風味が和牛の脂のうまみを引き出してくれる。「冬瓜の冷たい煮物 海老そぼろあんかけ」のような色合いの美しさが決め手の料理にもぴったりで、使い勝手も抜群。 表示価格はすべて税込みです。 撮影/本誌・西山 航 フードスタイリング/福岡直子 取材・文/安齋喜美子
『家庭画報』2021年7月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。