役の話はあまりしないという尾野さんと柴崎さんの撮影合間の過ごし方はよく似ていたといい、一緒に漫画の話をしたりしていたそう。 1週間違いで公開になる2作品で母親役を演じて 本作より1週間早く公開された映画『茜色に焼かれる』でも、母親役を演じている尾野さん。撮影は2020年。聞けば、『明日の食卓』とほぼ同時期だったとか。『茜色に焼かれる』で尾野さんが扮するのは、中学生の息子を一人で育てる田中良子。理不尽な事故で夫を失い、経営していたカフェはコロナ禍で破綻し……。彼女もまた苦境に立たされていますが、「現場も監督も子どもも違う。環境が全部違うので、すぐ切り替えはできましたね。だから、そこに苦労はしなかったです」と言います。
「『茜色に焼かれる』は、自分が女優を続ける上で、背中を押してくれた作品でした。コロナ禍で止まりかけていた自分に、今止まっちゃダメだよ、伝えなきゃいけないことがたくさんあるでしょ、って言われたような気がする台本だったので。それに背中を押されて、『明日の食卓』も大河(ドラマ『麒麟がくる』)も頑張れました。『茜色に焼かれる』も『明日の食卓』も、完成して公開できることが本当に幸せだな、ありがたいなと思います。
子どもを持つ母親には、いろいろなことがあると思うんです。問題は一つじゃないし、それぞれの苦労があって。それに悩んで、こもってしまったり、命を絶とうとしてしまう方もいるわけですよね。私たちが演じることで、何か気づいてもらえることが一つでもあったら、誰かに話したり問題が少しでもなくなるきっかけになったら……。そういう作品になったらいいなと思っています」
尾野真千子/Machiko Ono 俳優
1981年11月4日生まれ、奈良県出身。97年、河瀨直美監督のカンヌ国際映画祭カメラ・ドール受賞作『萌の朱雀』の主演で俳優デビュー。以来、数多くの映画、ドラマに出演する。近年の主な出演作に、映画『台風家族』、『影踏み』、『ヤクザと家族 The Family』、ドラマ『心の傷を癒すということ』、『微笑む人』、大河ドラマ『麒麟がくる』など。主演映画『茜色に焼かれる』が公開中。
『明日の食卓』 原作:椰月美智子『明日の食卓』(角川文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:小川智子
出演:菅野美穂 高畑充希 尾野真千子
柴崎楓雅 外川 燎 阿久津慶人/和田聰宏 大東駿介 山口紗弥加 山田真歩 水崎綾女 藤原季節
真行寺君枝/渡辺真起子 菅田 俊 烏丸せつこ
配給:KADOKAWA/WOWOW
2021年5月28日(金)より全国公開
2021年6月11日(金)よりWOWOWオンデマンド、auスマートパスプレミアム、TELASAにて配信
公式サイト
https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/ VIDEO Ⓒ2021「明日の食卓」製作委員会