エンターテインメント

松本幸四郎さんが挑む新作舞踊『夢追う子』。総勢47名で舞い踊る圧巻の舞台

2021.05.28

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――過去3回の公演は、SAI(さい)に因んでそれぞれ「賽」「裁」「彩」がテーマになっていました。今回のSAIは「祭」。スポーツの祭典・オリンピックがひとつのモチーフになっているとか?

「はい。当初は去年の6月に上演する予定だったので、直後に控えた東京オリンピックの開会式を、自分たちで一足先にやってしまおうというような気持ちでした。とはいっても、オリンピックを紹介する舞踊ではありません。オリンピックで見られる、走る、跳ぶ、投げる、戦う……といった動きを日本舞踊として取り入れたり、平和や協調、夢をもって努力する喜びというようなオリンピック精神を表現したり。4人の振付家の方には、日本全国の祭りの踊りを取り入れた動きも考えていただいています。祭りは、もともと神に感謝や祈りを捧げるもの。神に捧げる競技祭として始まった古代オリンピックにも通じると思っています」

――音楽はどういった感じになるのですか?


「仙波清彦さんに音楽監督をお願いして、この『夢追う子』のためにつくっていただいた12分くらいのテーマ曲があるんです。とてもリズム感がある現代邦楽の音楽で、それにアレンジを加えていろいろな展開にしたり、曲の一部を使ったりしています。ほかの音楽も使いますが、歌が入っているものは1曲もありません。その中で、人が生まれて夢を持ち、恋を知ったり、技を磨いて競い合ったり、挫折を経験しながら成長していく……といったことを、オムニバスのような形で展開します。ときに個々で、ときにペアやグループで踊りながら、そこで生まれる様々な感情を表現したいと思っています」

――なるほど。その中に、オリンピックや日本の祭りの踊りの動きも入ってくるわけですね。コロナ禍でお稽古も大変なのでは?

「苦労は多いです。動画で撮った振付をYouTubeに上げて皆さんに覚えていただくところから始まって、前半はリモートで稽古、後半の対面稽古はグループ分けして行いました。人が集まる時間を極力減らそうと、担当委員の方々が頭を捻りに捻って、ものすごく細かく刻んだ稽古スケジュールを組んでくださって。それもこれも、この『夢追う子』をなんとか上演したいという皆の思いがあればこそ。言ってみれば、僕ら自身も“夢追う子”なんです。夢を持つことが、どれだけ強いエネルギーになるかということを実感しています」



『夢追う子』のテーマ曲は久米大作さんが作曲。2020年7月のNHK Eテレ『にっぽんの芸能』内で、幸四郎さんほか総勢47名の日本舞踊家がこの曲で踊る『夢追う子~ハレの日への道しるべ』が披露された。全国各地で活動する47名がそれぞれ撮った動画を組み合わせてつくった作品だ。
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