石川監督の世界観はアート。わかろうとせず、感じるもの
エマのもとでプラスティネーションを学んでいくリナですが、やがて別々の道を歩むことに。そのエマの最終的な選択も実は「よくわからないんですよ」と寺島さん。
「(映画が)完成してもなお、わからないままですね。(石川監督の世界観は)もうアートだから。アートって、例えば絵画もわかろうとは思わず、感じるものですよね。なんかよくわかんないけど、この絵の前にずーっといるなぁ、みたいな感じ。これは、そういう映画でいいんじゃないかなと思っています。理詰めで“こうだったよね。こういう話だったよね”ってやっちゃうと、なんとなく陳腐なものになってしまう気がするんです」
そんな本作は、「おじいちゃん、おばあちゃんには響くかもしれない」としつつ、「でも、日本って、ちょっと老け込んでても“変わらないですね。いつまでもきれいですね”みたいなのが褒め言葉っていうような風習になっちゃってますよね」と続けた寺島さん。だから、「どうしてもきれいでいたいとか、若くいたいとか思っている、そういう人たちに観てもらうといいのかもしれないですね」とも言います。
誰も見たことがない未来を描いた物語だからこそ、キャスティングが難航したという本作は、「役者も賭けに出た作品だと思います」。