石川監督によれば、撮影現場では「寺島さんの一挙手一投足を、これがエマだと思いながら、僕らが撮っているという感じでしたね」。20年後、30年後に本作を観るのも面白いかも
本作を観れば、否が応でもいろいろと考えてしまうはず。「どうしてもきれいでいたいとか、若くいたいとか思っている」人たちはもちろん、そうでない人たちもきっと。
「考えちゃうでしょうね。死って誰にでも訪れるものだし、この先どういうふうなことになるんだろうっていうことを考えられる作品でもあるかもしれない。私はちゃんと年齢を重ねて、死ぬべきときに死ぬっていうのがいいと思いますけどね」
自身が出演した作品は、「自分が出ている限り話に集中できないから、すぐには観ないですね」と言う寺島さん。本作を観るのも「寝かせて2年後ぐらいかな(笑)」だそうですが、「2年経つとまた観たときに感じたり考えることも変わると思います。20年後、30年後は、もしかしたらそっち(ボディワークスや不老化処置を選ぶ人)が主流になってるかもしれないですよね。そうなってから観るのも面白いかも」。
「読者のみなさんは、永遠の若さや永遠の命ってどう思いますか? 更年期に入ると、いろいろな変化が出てくるじゃないですか。そのときに観たら、ちょっとやってみたいな、ってなっちゃうのかなと思うんですけど、そこは人それぞれですからね。そういうことを観たあとに話せる、そんな楽しみ方もできる映画だと思います」
寺島しのぶ/Shinobu Terajima
俳優
1972年12月28日生まれ、京都市出身。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。2003年、『赤目四十八瀧心中未遂』と『ヴァイブレータ』で国内外の映画賞を多数受賞したほか、10年には『キャタピラー』で日本人として35年ぶりにベルリン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞。出演映画『キネマの神様』が今年8月6日(金)に公開予定。
『Arc アーク』
原作:ケン・リュウ『円弧(アーク)』(ハヤカワ文庫刊『もののあはれ ケン・リュウ短篇傑作集2』より)
監督:石川 慶
脚本:石川 慶 澤井香織
出演:芳根京子
寺島しのぶ 岡田将生
清水くるみ 井之脇 海 中川 翼 中村ゆり/倍賞千恵子
風吹ジュン 小林 薫
配給:ワーナー・ブラザース映画
2021年6月25日(金)より全国公開
公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/arc-movie/Ⓒ2021映画『Arc』製作委員会