旬を愛でる花旅・庭めぐり(16)
海を背景にアイスチューリップが満開!
〜茨城・国営ひたち海浜公園
ガーデニングエディターの高梨さゆみです。毎週更新の花と庭を愛でる旅情報、今週は冬の寒さの中で咲き誇るチューリップを紹介いたします。いわゆるアイスチューリップ、そのメカニズムも詳しくご紹介しましょう。
グラスハウスの前の池に浮かぶように咲くアイスチューリップ。その先には太平洋を望む雄大な景色が楽しめる。【連載】旬を愛でる花旅 ・庭めぐり 12月の花の名所[第13回] 知られざる花名所。大学キャンパスにあるサザンカの並木路を歩こう[第14回] 一見の価値アリ。今年絶対に見たいクリスマスツリーは?[第15回] 珍しい冬咲きのクレマチスに出会う→花の名所をもっと見るまるで太平洋に浮かんでいるような美しくも不思議な景色
茨城県ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園は、春のネモフィラ(青)、夏のヒマワリ(黄色)、秋のコキア(緑~赤)など、色彩豊かでダイナミックな花の景色が楽しめる都市公園です。四季折々の花が咲くこの公園には、年末年始の寒い時期にも堪能できる美しい花の景色があります。
それはアイスチューリップ! 春を代表する花であるチューリップが、まもなく見頃を迎えます。
アイスチューリップが見られるのは、公園の東側、海岸に近い砂丘エリアで、グラスハウスの前に広がる池に設置されたボックスに植えられています。15品種、約1万5000球のアイスチューリップが、まるで水面に浮いているように咲く景色は、ほかではなかなか見られません。しかも池の向こうには太平洋が広がり、じつにダイナミックな光景なのです。
海に浮かんで咲いているように見えるだけでも、不思議な気分になりますが、よくよく考えれば、真冬のこの時期に満開を迎えるチューリップというのも「なんで今咲いてるの?」と疑問が生じます。
最近では認知度も高くなってきたアイスチューリップですが、その開花のメカニズムを知っていれば、より花を見るのが楽しくなりますよ。
海の色、空の色を背景に華やかなチューリップの花色がさらに映える。