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洋風の野菜・ズッキーニを和風に。プロが考えた夏ならではの汁ものレシピ

2021.07.14

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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”365 身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を毎日教わります。一覧はこちら>>

ズッキーニとトマトの薄葛仕立


ズッキーニとトマトの薄葛仕立

「きゅうりのようできゅうりでない、かぼちゃのようでかぼちゃでもない、なすのようでなすでもない、ベンベン……」大喜利の掛け合いではありませんが、そんな野菜がズッキーニです。

外見はきゅうりのようですがかぼちゃの仲間です。今や一般的な野菜ですが、和食で用いられることはあまりないかもしれません。




そんな野菜をプロの料理人は和食にどう取り入れるのか? ありがちなのが〇〇風というパターンで、イタリアンやフレンチに寄せていく(真似する)ものです。

そうではなく、和の立場で料理を考えてみました。「これをきゅうりだと考えればあんな料理が考えられるが、生に近い使い方はちょっと違う」とか、「なすと同じで油と相性がいいが歯ごたえはいかしたい」、「かぼちゃの仲間とはいっても、炊いても食感が違う」などとあれこれ試行錯誤するのです。

今日は薄くとろみをつけた椀ものにしてみました。とろみをつけた料理は秋から冬にかけて多いのですが、薄いとろみなら夏にもよいものです。ほのかな油分と出汁をとろみがつないでくれるのでおいしさが増し、そこに軽やかなトマトの酸味が加わると、単調な味になるのを防ぎます。

本日は大喜利風に始めましたが、ご紹介する料理を是非お試しいただき、最後のオチは皆様の手で。今日も野菜料理を楽しみましょう。


ちょっとしたコツ


・「ズッキーニとトマトの薄葛仕立」は野菜料理をおいしくする7要素のうち4つを取り入れている。

◎旨み ◎塩分 甘み ◎油分 ◎食感 香り 刺激

・ズッキーニは油分をまとわせることでおいしくなる。ただ、火が入り過ぎると台無しである。

おいしさには変化していくおいしさというものがある。トマト(できればフルーツトマト)から滲み出る酸味、甘みと香りが変化の妙を生み出す。

・香りに青柚子の皮をすりおろしたものや生姜のせん切りを加えてもよい。







「ズッキーニとトマトの薄葛仕立」


ズッキーニとトマトの薄葛仕立

【材料(2人分)】
・ズッキーニ 適量

・トマト(できればフルーツトマト。湯むきする) 適量

・生きくらげ 適量

・出汁 300cc
※かつお節と昆布の出汁でも、ベジタリアン用に昆布出汁でも可。

・塩 1g

・薄口醤油 小さじ1強

・みりん 小さじ1/2弱

・葛粉(片栗粉でも可。葛1:水2を溶く) 適量

【作り方】
1.鍋を火にかけ薄く油(材料外)をひく。ごま油は中華っぽくなるので避けたい。小さめのひと口サイズに切ったズッキーニ、生きくらげを加え、さっと炒める。でき上がりに歯ごたえが残すよう炒めすぎない。

2.出汁を加え、吸いものよりも少し濃いめの味になるよう塩・薄口醤油で味をつけ、みりんもごく少量加える。

3.2に水で溶いた葛を少量ずつ何回かに分けて加え混ぜて薄いとろみをつける(味をつけた後にとろみをつけること。手順を逆にすると粘度が増して舌をヤケドするときがある)。あくまでも吸いものなので薄いとろみでよい。弱火で10秒ほど炊いて粉臭さをなくす。ここまで段取りよく進めないと、ズッキーニの歯ごたえがなくなってしまう。

4.最後にくし切りにした生のトマトを加えて軽く煮込んだら椀に盛る。このとき、新生姜のせん切りを加えてもよい。

私たちプロの料理人の中には、色や見た目を味より重視する者もいます。薄味信仰?なのか、本当は少し濃いめの味にしたほうがおいしいものでも、それは恥と、濃いめの味つけを避けます。また、味を素材にしっかりと含ませることがプロの料理と、無理に味をつけなくてもおいしい素材に味をつけて台無しにしてしまうこともよくあります。何より、皆さまがおいしいと思う味にしてください。人の味の好みは様々です。ご自身・ご家族の好み、体調に合わせた味に調整しましょう。レシピに示す調味料などの分量は一例に過ぎません。注目していただきたいのは素材の組み合わせと料理手順、どんな調味料を使うのかということです。味の加減は是非お好みで。

六雁(むつかり)

榎園豊治さんプロフィール
銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長であり、この連載の筆者でもある榎園豊治さんは、京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。

六雁 むつかり

東京都中央区銀座5-5-19
銀座ポニーグループビル6/7F
電話 03-5568-6266
営業時間 (昼)12時〜14時 (夜)17時30分〜23時 ※土曜日のみ17時〜
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:http://www.mutsukari.com

六雁 むつかり 料理長、秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。連載でご紹介する料理を手がけてくださる、現料理長・秋山能久(あきやま・よしひさ)さん。
文/榎園豊治 撮影/大見謝星斗
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