フィギュアスケート

平昌五輪の前哨戦、グランプリファイナル。 強さを見せつけたのは……

2017.12.18

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SP101.51点、FS184.50点、計286.01点。FSでは1位だったものの僅差で準優勝。12月17日に20歳を迎えた宇野選手。おめでとうございます!まずは全日本選手権で宇野選手が満足いく演技ができますように。

羽生結弦選手欠場の影響で、シーソーゲームだった男子シングル


地元・名古屋の声援を力に登場した宇野昌磨選手でしたが、今大会では転倒やタイムオーバーもあり、0.5点差という僅差で2位に。優勝はアメリカのネイサン・チェン選手でした。ネイサンは直近のスケートアメリカで、SPではパーソナルベストを出したものの、FSでジャンプの抜けや転倒があり、本人としてはいまひとつの出来での優勝。このGPFでも本調子とはいえない滑りでした。



5種類の4回転ジャンプを公式試合ですべて成功させた最初の選手。SP103.32点、FS183.19点、計286.51点でGPF初優勝。

でも、それでもいいのです。心身ともに今がピークでは困りますから! いよいよ平昌五輪が近づいて来たこの頃、五輪経験者の荒川静香さんや髙橋大輔さんが、4年に1度のオリンピックに ベストの照準を合わせることがいかに難しいか、しみじみ語っていらしたことを思い出します。

「負けず嫌い」の宇野選手がGPFで見つけた滑る喜び


宇野選手が「(インフルエンザ後の)フランス大会が本当に苦しかった。今回のGPFに対しては、悔しい気持ちと楽しい気持ちがある。あの練習をやらなきゃ、もっとやらなきゃ!と考えすぎていた気持ちが、インフルエンザで少し練習できない期間があったことで、忘れかけていた、滑ることの楽しさを思い出せた大会だった。だから、優勝できなくて周りの方を失望させたのは申し訳ないが、自分としては結果を気にしてはいない」と囲み取材で語っていたのが印象的でした。

悔しくないわけがありません。『家庭画報』1月号でも何度も言っていましたが、「負けず嫌い」なんですから(笑)。周りより、誰よりも悔しさを感じているのは宇野選手、本人のはず。でも、それ以上の収穫があったのなら、なによりです! 悔しさを前進するパワー、滑る喜びに変えられたらプラスの力になりますよね。

療養中の羽生選手から届いたメッセージ


全試合が終ったあと、羽生結弦選手からのメッセージが記者たちに伝えられました。報道でご存じの方も多いかと思いますが、じん帯も損傷していて、まだ氷上練習を再開できていないとのこと。NHK杯練習中の転倒は、ちょっと心配な転び方でした……。

前にも書きましたが、羽生選手は全日本選手権には無理に出場しなくていいと思います。明記されている、出場権利獲得の資格を持っているわけですから。

4年に1度の祭典であるオリンピック。2月の平昌五輪、そして3月の世界選手権において、どのスケーターも、心身ベストな状態で最高のパフォーマンスを披露してくれることを祈っています。

 

小松庸子/Yoko Komatsu

フリー編集者・ライター
世界文化社在籍時は「家庭画報」読み物&特別テーマ班副編集長としてフィギュアスケート特集などを担当。フリー転身後もフィギュアスケートや将棋、俳優、体操などのジャンルで、人物アプローチの特集を企画、取材している。
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